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形容
「形容〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
形容の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
いながら、視線で彼の顔を「撫《な》で廻した。」(これは馬琴が和泉屋のある眼つきを
形容した語《ことば》である。)そうして、煙草の煙をとぎれとぎれに鼻から出した。
....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の盆栽――すべてがある古い新しさを感じさせる、陰気なくらいけばけばしい、もう一つ
形容すれば、どこか調子の狂った楽器の音《ね》を思い出させる、やはりあの時代らしい....
「河童」より 著者:芥川竜之介
。が、やっと起き上がったのを見ると、失望というか、後悔というか、とにかくなんとも
形容できない、気の毒な顔をしていました。しかしそれはまだいいのです。これも僕の見....
「彼」より 著者:芥川竜之介
》きたかった。けれども彼は超然《ちょうぜん》と(それは実際「超然」と云うほかには
形容の出来ない態度だった。)ゴルデン・バットを銜《くわ》えたまま、Kの言葉に取り....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
たと云うのです。」
田代君は椅子《いす》に腰を下すと、ほとんど物思わしげなとも
形容すべき、陰鬱な眼つきになりながら、私にも卓子《テーブル》の向うの椅子へかけろ....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
の肥っているだけに痩《や》せた上にも痩せて見える三十前後の、――ちょっと一口には
形容出来ない。が、とにかく紳士と呼ぶのに躊躇《ちゅうちょ》することだけは事実であ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
に、入口の石段の上に腰を下したから、今では顔貌《かおかたち》も、はっきり見える。
形容の枯槁《ここう》している事は、さっき見た時の比ではない。李はそれでも、いい話....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うに砂へ膝をついた。その拍子《ひょうし》に彼の口からは、叫ぶとも呻《うめ》くとも
形容出来ない、苦しそうな声が一声《ひとこえ》溢《あふ》れて来た。あの容貌の醜い若....
「少年」より 著者:芥川竜之介
。が、話の体裁《ていさい》は?――芸術は諸君の云うように何よりもまず内容である。
形容などはどうでも差支えない。
五 幻燈
「このランプへこう火をつ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
さえするならば、たとえば、「彼女の頬笑《ほほえ》みは門前雀羅を張るようだった」と
形容しても好い筈《はず》である。
もし通用さえするならば、――万事はこの不可思....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
画《え》からでも思いついたのでしょう。つまり鬼界が島と云う所から、餓鬼《がき》の
形容を使ったのです。なるほどその時の俊寛様は、髪も延びて御出《おい》でになれば、....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
ょしょ》の叢林《そうりん》の紅葉《こうよう》と映発している美しさは、ほとんど何と
形容して好《い》いか、言葉の着けようさえありません。こういうとただ華麗《かれい》....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
たくなった。 バルザックか、誰かが小説の構想をする事を「魔法の巻煙草を吸う」と
形容した事がある。僕はそれから魔法の巻煙草とほんものの巻煙草とを、ちゃんぽんに吸....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
にまだ殆病的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身不快でなければ、近代的と云う語で
形容しても好い。兎に角憎む時も愛する時も、何か酷薄に近い物が必江口の感情を火照ら....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
其処に僕等同様、近代の風に神経を吹かれた小杉氏の姿を見るような気がする。気取った
形容を用いれば、梅花書屋の窓を覗いて見ても、氏の唐人は気楽そうに、林処士の詩なぞ....