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「形跡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

形跡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
弁じられよう恐があるため、計略ここに出たのであろう。ただしその縁談を嫌ったという形跡はいささかも見当らぬが。 「攫られたのかい。」 「はい、」 と見ると、酒井....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
びにカプタインによって吟味せられた。しかしこのような規則的な運動をしているような形跡は見付けることができなかった。これに反してカプタインはこれとはちがったある規....
白蛇の死」より 著者:海野十三
あること、同様な傷が又両足の裏にもあるのであったが、極く小さい上に血のにじみ出た形跡もないので、或いはお由の死後吉蔵がつけたものかも知れぬ、とも考えられていた。....
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
けていらっしゃいませんか」 「いいえ、ちっとも」 「邸内に悪漢が忍び入ったような形跡はなかったですか」 「一向にききません」 大江山警部は、さっぱり当りのない....
地獄街道」より 著者:海野十三
明した。その工場の内部を隅々まで調べてみたが、そんな青年達の忍びこんでいたような形跡は一向見当らなかった。ビール瓶に藁筒を被して自動的に箱につめる大きな器械があ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
明であるという。そこでポントスの寝室を調べてみると、ベッドはたしかに人の寝ていた形跡があるが、ポントスは見えない。尚もよく調べると、床の上に人血の滾れたのを拭い....
三人の双生児」より 著者:海野十三
を向き、 「珠枝さん、ハッキリは分らないが、どうやらこれは砒素が入っていたような形跡がある。無水亜砒酸に或る処理を施すと、まず水のようなものに溶けた形になるが、....
金属人間」より 著者:海野十三
せん。部屋としてはそこは完全に密室なのです。そとから犯人の侵入《しんにゅう》した形跡《けいせき》がないのです。ふしぎですなあ。まさかこれは自殺じゃないでしょう」....
地獄の使者」より 著者:海野十三
中へ送りこむことができないのです。しかしこの缶詰は、ごらんになる通り、穴をあけた形跡がなく、缶の壁は綺麗です。ですから、この缶の中に毒瓦斯そのものが詰めてあった....
」より 著者:犬田卯
な姿態で、ヨシ子の頭部を冷やしていた。ヒマシ油か何かを飲ませようと骨折ったような形跡もあった。 おせきは次の瞬間、自分を取りかえして、その母親の、いつものよう....
余齢初旅」より 著者:上村松園
穴があいている。ついだのもある。はなはだ大きなのは中途で継いであるらしい、そんな形跡がみえた。 ここの富豪の婦人の部屋などもみせてもらった。朱の色の梯子、欄干....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
い。福沢という人は別にこれという哲学的の著書のあるわけでもなく、何ら哲学的思索の形跡は認められないけれども、しかし西洋文明の輸入者として、また広く当時社会の先覚....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
スなり毒薬なりが被害者を狂気にして、部屋の中を掻き乱させ格闘でも演じられたような形跡を残す。揚句の果当人はナイフで自らを刺したりなどして死ぬ。この種の変形には、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
十六マイルを航進す。船長の語るところを聞くに、山下機関長行方不明、海中に投身せし形跡あり。これに加うるに、風波のために船行遅々たれば、石炭欠乏のおそれあり。よっ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
情が充分でなく、ややもすれば行き詰まりの人事行政打開に重点を置いて軍拡を企図した形跡を見遁す事が出来ない。平時兵団の増加は固よりよろしいが、応急のため更に大切な....