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形迹
「形迹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
形迹の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古代国語の音韻に就いて」より 著者:橋本進吉
うに、これは何か発音の区別によるものであろうというようなことを考えておったような
形迹もありますけれども、実ははっきりしたことは判りませぬ。しかし我々からみれば発....
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
と思ったが、実際殆ど自然に事が運んだ。埴生は間も無く落第する。退学する。僕はその
形迹《けいせき》を失ってしまった。 僕が洋行して帰って妻《さい》を貰ってからで....
「文芸委員は何をするか」より 著者:夏目漱石
政府は今日までわが文芸に対して何らの保護を与えていない。むしろ干渉のみを事とした
形迹《けいせき》がある。それにもかかわらず、わが文学は過去数年の間に著るしい発展....
「行人」より 著者:夏目漱石
明けて頼むんだって」
自分がこう云うと、今度は兄の方がぐっと行きつまったような
形迹《けいせき》を見せた。自分はここだと思って、わざと普通以上の力を、言葉の裡《....
「明暗」より 著者:夏目漱石
ゃないか」という顔つきをした。
お延は自分がかりそめにも津田を疑っているという
形迹《けいせき》をお秀に示したくなかった。そうかと云って、何事も知らない風を粧《....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
とは全く没交渉ではありますが、転々承継した主義を一徹に主張すると、少なくともその
形迹《けいせき》だけは芭蕉以後の正風争いと同価値に終るようになりはせぬかと思われ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
、部屋を見まわしたが、別にかわったこともなかった。園田が今までそこらにいたらしい
形迹もなかった。湯殿と物置きと台所口へ通じる廊下があるとしても、そこまで考える必....
「黴」より 著者:徳田秋声
代が、そのころ甥の捲き込まれていた不良少年の仲間の飲食いのために浪費されるらしい
形迹が、少しずつ笹村に解って来た。 「新ちゃんは、いつのまにか私の莨入れを持って....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《はじめ》より文三の人と為《な》りを知ッていねば、よし多少文三に心を動かした如き
形迹《けいせき》が有《あれ》ばとて、それは真に心を動かしていたではなく、只ほんの....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ようなものである。 この結婚は、名義からいえば、陸が矢川氏に嫁したのであるが、
形迹から見れば、文一郎が壻入をしたようであった。式を行った翌日から、夫婦は終日渋....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
達方』などには、犬の声を今の日本と同じくワンとしおり、古エジプトではアウと呼んだ
形迹《けいせき》あり(ハウトンの『古博物学概覧』三〇頁)。『狂言記拾遺』六、「犬....
「日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
る、というのならば、それもまた全くの誤りである。こういう信念が上代にあったらしい
形迹は古典のどこにも見えていないし、現代における国家は家族とは全く性質の違ったも....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
とも限らぬ。柳田君も「毛坊主考」の発表において、この点についてかなり遠慮せられた
形迹が見られる。「真実は必ずしも悉く公表すべきもので無いのかも知らぬ。公表する位....
「それから」より 著者:夏目漱石
ない訳に行かなかった。けれども積極的に自分から梅子の心を動かそうと力《つと》めた
形迹《けいせき》は殆《ほと》んどなかった。ただ物を云うときに、少し首を横に曲げる....