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彩り
「彩り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
彩りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
した、萩《はぎ》、桔梗《ききょう》、女郎花《おみなえし》などの褄《つま》や袖口の
彩りと申し、うららかな日の光を浴びた、境内《けいだい》一面の美しさは、目《ま》の....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
が、次第に、ケバケバしい硝子《ガラス》瓶を並べた酒場《バー》やカフェー、毒々しい
彩りを並べたショーウインドに追いまくられて行く。気の利いた凝った趣のあるビラ、昔....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
部屋を浸す暁の光線と中和すると、妙に精の抜けた白茶けた超現実の世界に器物や光景を
彩り、人々は影を失った鉛の片のようにひらぺたく見える。 かの女は今ここに集まっ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
かない表象の世界を幻出させている。それを眺めていると、心が虚になって、肉体が幻の
彩りのままに染め上げられて仕舞いそうな危険をほとほと感ずる。私たちは新嘉坡の市中....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
今刻み出す裸体も想像の一塊なるを実在の様に思えば、愈々昨日は愚なり玉の上に泥絵具
彩りしと何が何やら独り後悔|慚愧して、聖書の中へ山水天狗楽書したる児童が日曜の朝....
「俳優と現代人の生活(対話Ⅴ)」より 著者:岸田国士
村君の人間としての成長です。それがすぐ舞台の上で物を言つている。これはそれほど光
彩りくりとした形では現われて来ないが、しかし田村君が俳優としてのトレーニングをし....
「鯛釣り素人咄」より 著者:佐藤垢石
これと反対に、内海の波静かなところの海草の間を巣にして育った鯛は真紅の色鱗の肌を
彩り、肌の底から金光が輝き出し、珠玉のような斑点がいかにも美しい。そして、肉のき....
「姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
関係があった。上越国境の山々が初冬の薄雪を装い、北風に落葉が渦巻いて流れの白泡を
彩り、鶺鴒の足跡が玉石の面に凍てるようになれば、谷川の水は指先を切るほどに冷たく....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
に遠ざかって、茶店に離れたのに不思議はあるまい。 その癖、傍で視ると、渠が目に
彩り、心に映した――あの※たけた娘の姿を、そのまま取出して、巨石の床に据えた処は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ありましょう。
それもただバタで拵えただけに止らず、その上に金箔あるいは五色で
彩りをしてあるから、あたかも美しい絹の着物を着て居るように見えて居る。バタその物....
「活人形」より 著者:泉鏡花
ざっと流して座敷に帰り、手早く旅行鞄を開きて、小瓶の中より絵具を取出し、好く顔に
彩りて、懐中鏡に映し見れば、我ながらその巧妙なるに感ずるばかり旨々と一皮|被りた....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
の時期が続いた。が、ついに顔の美は跡形もなく固い線に変わってしまい、わざとらしく
彩り、グロテスクな誇張でごまかしたものになってしまった。そのくせ魅力を失えば失う....
「太陽とかわず」より 著者:小川未明
ろくろく休むことができなくなりました。たまたまいい月夜で、月の光が池の面を黄色く
彩りますと、かわずはびっくりして、不意に起き上がって、もう早、お日さまがお上りに....
「海のかなた」より 著者:小川未明
方を見やって、ただ悲しみのために泣いていました。 毎日、入り日は、紅く海の上を
彩りました。そして、城跡から、海をながめるその景色に変わりはなかったけれど、おじ....