彩管[語句情報] » 彩管

「彩管〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

彩管の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草枕」より 著者:夏目漱石
剰《あま》す。起臥《きが》の二界を同瓶裏《どうへいり》に盛りて、詩歌《しいか》の彩管《さいかん》をもって、ひたすらに攪《か》き雑《ま》ぜたるがごとき状態を云うの....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
因むが如く、長汀曲浦五里に亘る行路の絶勝は、須臾にして長聯の銀屏と化して、虹汀が彩管に擬ふかと疑はる。 かくて稍一里を出でし頃ほひ、東天|漸く紅ならむとする折....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
は不思議そうに訊いたものである。 「火急と申すではござりませぬが、是非ともご前の彩管を煩わしたき事ござりまして参上致しましてござります」 ……吉備彦は恭しく云....
ヒトラーの健全性」より 著者:国枝史郎
して立ったなら、むしろ穏健な、さりとて古くない、ポストアンプレッショニストとして彩管を揮ったことだろうと思った。 未来派は、表現派や立体派や構成派などと共に、....
楠公夫人」より 著者:上村松園
次第を話されたので、私は楠公夫人の偉大なる人格に敬服しているところでもあり、一は彩管報国の念やみ難いものを抱いていた矢先だったので、即座に承諾したのであった。私....
四条通附近」より 著者:上村松園
おいても、あの頃の人たちの優しい姿を描き、それを現今の人に見て貰うのも、ひとつの彩管報国なのではなかろうかと思っている。....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
を見破って、其へ一蝶《いっちょう》の艶のある所をよく味わって」 と、国芳門下に彩管を弄《もてあそ》んだありし日が立派にここでこう物をいっているのである。圓朝は....
増長天王」より 著者:吉川英治
る。 さっき、そこへ戻った菊田兆二郎は、何食わぬ風を装って、香炉か何かに鯉絵の彩管をとっていた。 と、そこへ久米一の娘の棗が、少し色をかえて入ってきた。 「....
黒田如水」より 著者:吉川英治
巨匠が筆をそろえて鵞の間、芙蓉の間、墨梅の間、遠寺晩鐘の間などと呼ぶにふさわしい彩管を揮っている。 三重の楼、四重、五重、六重と上にゆくほど、間数は少なくなる....