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「彫金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

彫金の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
家霊」より 著者:岡本かの子
は娘のいる窓や店の者に向って、始めのうちは頻《しき》りに世間の不況、自分の職業の彫金の需要されないことなどを鹿爪《しかつめ》らしく述べ、従って勘定も払えなかった....
春昼」より 著者:泉鏡花
狐格子、唐戸、桁、梁、※すものの此処彼処、巡拝の札の貼りつけてないのは殆どない。彫金というのがある、魚政というのがある、屋根安、大工鉄、左官金。東京の浅草に、深....
三つの挿話」より 著者:堀辰雄
の裏になっていて、いたって物静かなところである。 その路地をはいって右側には、彫金師の一家が住んでいる。そのお向うは二軒長屋になっていて、その一方には七十ぐら....
花を持てる女」より 著者:堀辰雄
侍だったという祖父、やはり若いうち宮仕えをしていたという祖母、明治のころ江戸派の彫金師として一家を成していたという伯父などと、私の見たことさえもないような人たち....
幼年時代」より 著者:堀辰雄
かなくず》のにおいだとか、そういった一層つまらないものばかりだ。…… 私の父は彫金師《ほりものし》だった。しかし、主《おも》にゴム人形だとか石鹸《せっけん》な....
回想録」より 著者:高村光太郎
くやれた人はないだろうと思う。 次に「ししあい」という彫の稽古になるが、これは彫金で謂う「片切」と共通した彫り方で「ししあい」には一種の秘訣のようなものがあっ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
るということよりも、さらに新奇なものを加えて出陳してはどうか。彫刻、絵画、蒔絵、彫金等の名家も多いこと故、この人々自ら製作して、それを出したら一層おもしろかろう....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
の頃の名工の作など集められた。それで師匠も辻屋に出入りをしておった訳である。彼の彫金の大先生|加納夏雄さんが京から江戸へ出た時に草鞋を脱いだ家がこの辻屋というこ....
増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
以上を極彩色とし、軸部には全面に蝋色地、高蒔絵を施して、これに七宝入りの精巧な透彫金具を打ち、眼もさむるばかりに美しい。歴代の宝塔中、やはりこの二代将軍の宝塔が....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
目論見のために各種にわたった作品を各名手の人々に依嘱していたのであったが、蒔絵、彫金、牙彫のような製作はすべて注文済みとなり、作品も出来上がった物もあったが、た....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
。しきりにその希望が烈しくなったけれども、好い師匠がないので困っている中、京都で彫金家の海野美盛氏を知り、かねての希望を話して相談すると、君にそういう固い決心が....
私本太平記」より 著者:吉川英治
職衆といっていい。 具足師柳斎の下請仕事をやる者だけが住んでいた。――附属物の彫金、染革、塗師、かざり師、糸縒などの諸職のなかで、元成は、下絵描きをやっていた....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、寝るまも脱いでいなかった。 彼のよろい具足は、お抱えの明珍に図案させ、縅から彫金のかな具一ツまで、粋を凝らしめたものである。それをいま彼は着ていた。しかし自....