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「役に立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

役に立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
感情の高低《こうてい》は徒《いたずら》に彼の太刀先《たちさき》を鈍《にぶ》らせる役に立つばかりだった。伝吉は浄観を睨《にら》んだぎり、打とうか打つまいかと逡巡《....
河童」より 著者:芥川竜之介
をし、静かに正面《しょうめん》の祭壇を指さしました。 「御案内と申しても、何もお役に立つことはできません。我々信徒の礼拝《らいはい》するのは正面の祭壇にある『生....
或る女」より 著者:有島武郎
ではあるけれども地位もあれば金もある。それは愛子のみならず、自分の将来に取っても役に立つに相違ない。……とそう思うすぐその下から、どうしても虫の好《す》かない愛....
小作人への告別」より 著者:有島武郎
めに、個人によって私有さるべきものではありません。しかるに今の世の中では、土地は役に立つようなところは大部分個人によって私有されているありさまです。そこから人類....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は多分二〇で割り切れるために二六〇日としたものであるらしい。 太陰が暦の決定に役に立つということが分ると同時に、これと同じ目的に役に立つような他の天体を求める....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
破ってはならない法則は存在せぬ。」(ベートーヴェン) ○法則とは自分が発見したら役に立つが、人から教わるとあまり役に立たぬものだ。 ○演技指導の本質の半分は「批....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
いう俗謡が流行った。電灯が試験的に点火されても一時間に十度も二十度も消えて実地の役に立つものとは誰も思わなかった。電話というものは唯実験室内にのみ研究されていた....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
腐りの長屋建て、掘立小屋という体なのが一棟ある。 町中が、杢若をそこへ入れて、役に立つ立たないは話の外で、寄合持で、ざっと扶持をしておくのであった。 「杢さん....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のの、トルストイや、ツルゲネーフと附合ったり、ゲーテ、シルレルを談じたって、何の役に立つものか。そこへ行くと三馬だ。お馴染がいにいくらか、景気をつけてくれる。―....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
を調えて下すった。この七本竹の継棹なんぞ、私には勿体ないと思うたが、こういう時は役に立つ。 一つ畳み込んで懐中へ入れるとしよう、賢君、ちょっとそこへ休もうでは....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るくせに、その心の中は何という可愛いものであろう! これなら神様のお使者としてお役に立つ筈じゃ……。』 私は心の裡でそんなことを考えました。私が天狗さんを好き....
野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
生えているのだよ。その草と、お寺の墓地に生えているイラクサだけがいまおまえさんの役に立つのだからね。それは、おまえさんの手をひどく刺して、火ぶくれにするほど痛か....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
いたものでないことが明らかで、間々聯絡がついている。専門家が見たらこれでも何かの役に立つかと思って、言葉の誤りは一字もなおさず、記事中の姓名だけを取換えて一篇に....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
感情に富んでいて、率という場合|懐ろ育ちのお嬢さんや女学生上りの奥さんよりも遥に役に立つ事を諄々と説き、「女丈夫というほどでなくとも、こういう人生の荒浪を潜り抜....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
礼状をよこした。) その時、そんなものを写してドウすると訊くと、「何かの時には役に立つさ、」といった。「何でも書物は一生の中に一度役に立てばそれで沢山だ。そう....