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役不足
「役不足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
役不足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
、あっしにまでもお頼みなすったんですよ」 「そうか、人のしりぬぐいをするなちっと
役不足だが、お公儀の面目とあるなら、お出ましになってやろうよ。では、そろそろ出か....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
してきて武者ぶりつこうとしたのを、相手になるような名人ではない。 「おまえなんざ
役不足だ。用のすむまで、ゆっくり涼んでいろい」 ダッと、あっさり草香の当て身を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ね、気に入らないかね」 「ちぇッ、なにも今になって事新しくあっしを気がきかねえの
役不足だのと、たなおろししなくたっていいですよ。おいらが光っていたひにゃ、だんな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も……」と、お浜は丁寧に炭をつみながら答えた。「定さんの話に、おまえさんは今度は
役不足だというじゃありませんか」 「
役不足という訳じゃあない」と、紋作は膝の前の....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
れはすべて不二麿が斡旋によるという。 恭順は言った。 「どうです、青山君、君も
役不足かもしれないが、一つ飛騨の山の中へ出かけて行くことにしては。」 どうして....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
行かないと能が出来ないような事を云っていたらしい。二三十銭の会費を出し渋ったり、
役不足を云ったり、稽古を厭がったりする者があると、帰って来てからプンプン憤って、....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
エ、ホホホホ。 「馬鹿あ吐かせ、三銭の恨で執念をひく亡者の女房じゃあ汝だってちと
役不足だろうじゃあ無えか、ハハハハ。 「そうさネエ、まあ朝酒は呑ましてやられない....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
う申上げては失礼だけれど、絹川といふ色男も、瀬戸といふ色男も、どうもあなた、少し
役不足ぢやありませんか」 「えゝそれはうちの宿六はたしかに偉いところもあるけど、....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
したので、それでスッカリ予定が狂って、あわててしまったんですの。ほんとに、そんな
役不足なんかおっしゃる方は、芸術を理解していらっしゃらないんですわねえ。」 「は....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
なものであろうと、完全に生かすことの喜びと誇りが、一切の情熱をかり立てる筈です。
役不足は、多くは人間としての、又は芸術家としての教養の不足から来るものであること....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
、ドサクサまぎれの駈落者と、こう見られまいものでもないの」 「あたしゃアちょっと
役不足さ」 「贅を云うな。……さあ行こう」 歩き出したところへ四五人の武士が、....
「露の答」より 著者:坂口安吾
凡将来の大器であるから作中の人物としては加茂五郎兵衛が不足かも知れぬがマアこの際
役不足を我慢して御尽力願う、などと最大級に激励していただいた。先生はオダテの名人....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
駈けっこよりもよほど複雑な役目を果す素質があるから、駈けっこに用いるのはいささか
役不足であろう。 同様にポインターやセッターを猟犬本来の訓練をやめてレース用の....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
治らねえ位のこたあ知ってるんだい、言葉の機よ、己だってまだ人に意見を言う親仁形は
役不足だ、可いや、喧嘩なら加勢をしよう、対手は何だ。」 「そ、それがね親方、」と....
「源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
ずるままに働いていた。彼は幾何の給料を貰っていたか知らないが、舞台の上では定めて
役不足もあったろうと察せられて、その全盛時代を知っている私たちには、さびしく悼ま....