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役付
「役付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
役付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
おとなしい人ですよ」と、老人はうなずいた。「組中でも評判がいいので、ゆくゆくはお
役付きになるかも知れません」 その金之助がまかり間違えば切腹の大事件を仕でかし....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
として、自主的な工場委員会が必要なのだ。今のところ、それは工場長や、社員できめた
役付職工や去勢された職工によって、勝手にされている。我々はそれを労働者の利益のた....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
と、直ちに入牢を仰せ付けられて、八沢送りとなった。福島からは別に差紙が来て、年寄
役付き添いの上、馬籠の庄屋に出頭せよとある。今は、半蔵も躊躇すべき時でない。 「....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
話しかけた。おもい夜が気持を自由にしていた。先方の手にあった提灯が消えてしまい、
役付け武士の安倍がそれとなくはなれて前に出たので、彼らの気持はひろく楽になってい....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
へ対して聞えも宜しからぬと、去年責罰された家老初めも総てそれを赦されて、あるいは
役付をする事にもなった。そこで私の父は勘定奉行といって、財政の主任になった。また....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
かりました。
三
越前守と、官を賜《たまわ》っていても、多く、旗本などがお
役付きになるのですから、殿中における町奉行の位置なんてものは、低いものだった。
....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
から紋太郎へ宛てて差紙が来た。恐る恐る出頭すると特に百石のご加増があり尚その上に
役付けられた。西丸詰め御書院番、役高三百俵というのである。 邸へ帰ると紋太郎は....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
うのはほかでもない、彼の父なる小左衛門が、わずか式第の仕損いから主殿頭に睨まれて
役付いていた鍵奉行から、失脚させられたという事が、数ヵ月前にあったからであった。....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ませんな」 こうにべもなくいい切ってしまった。どこに取りつくすべもない。これが
役付きの与力なら、押してきくことは出来るのであるが、今は役を退いた平八であった。....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、黒幕的性質にできていた。もし美作が望んだならば、五万石以上の大名ともなれるし、
役付くこともできるのであったが、それも望もうとはしなかった。表面に立つことを嫌っ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
んなかけ声。いよいよ輩は度を失い、孫兵衛一人の悪戦加わるばかりである。 だが、
役付でない鴻山や一八郎が、かく早速な捕手を連れてきたのも不審――と外を見ると、捕....
「三国志」より 著者:吉川英治
るでしょう」 「実にも」と、呂布はうなずいた。 で、韓暹を沂都へ、楊奉を瑯※へ
役付けて、赴任させてしまった。 老人の子息|陳登は、そのよしを聞いて、不平に思....
「三国志」より 著者:吉川英治
であろう。 この喬は、叔父や父のよい所にも似て、将来を嘱望され、蜀の※馬都尉に
役付して、時には養父孔明に従って、出征したこともあるらしいが、惜しいかな、二十五....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
が、わざわざ藩の狼火方同心にたのんで、この山間|僻地の勤務へ、懲戒という意味で、
役付きを廻してよこしたのだという、厄介な男であった。 けれど慎吾には、この山村....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
も、良人とともに、眉をひらいて、 「ちょうど、むすめも二十歳をこえ、市十郎も、お
役付きしてよい年配になりまする。では年暮のうちに、何かと、支度しておいて」 と....