役柄[語句情報] »
役柄
「役柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
役柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
そのある局に、【一人の官吏】が勤めていた――官吏、といったところで、大して立派な
役柄の者ではなかった。背丈がちんちくりんで、顔には薄あばたがあり、髪の毛は赤ちゃ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
ペンネームの外に、別に本名によって或る本職を持っているのだった。それは相当立派な
役柄で、文筆による原稿稼ぎよりも、ずっと将来も有望なる職業だった。その職業に取付....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
て配列がえをやったのではないということが分る。してみれば、これは一体何だ。どんな
役柄なのか、前半の百字は……」 「とにかくンの二十五個は、あまりにも異常だ。次の....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
からかいになってはいや。で、帆村さんは、政府側の委員のお一人でしょうが、どんなお
役柄ですの」 「僕ですか。僕はその、戦争でいえば、まあ斥候隊というところですなあ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
くいって、部屋の扉を閉めた。彼女のお腹は、相当目につくようになった。 「宣伝長の
役柄は大切だ。ヒステリーにさせちゃ駄目じゃないか」 と、僕は魚戸にいった。 「....
「火星兵団」より 著者:海野十三
い顔をしますが、善良な市民諸君に対しては、親類のように思って接しています。実際の
役柄から言って、そうなんですからね。子供たちには、それがよくわかると見え、おまわ....
「獏鸚」より 著者:海野十三
は、会社の秘密の役を演じ、桐花カスミを助けていたのであった。それは何という奇異な
役柄であったろう。そんなわけで、三原玲子の存在は、一般ファンには殆んど知られてい....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
な気持になってしまったんです。美和ちゃんとのことなんか、あの人から渡される芝居の
役柄のような立場を、苛々しながら、勤めていただけですよ。」 言葉づかいは改まっ....
「劇の好きな子供たちへ」より 著者:岸田国士
のすんでしまう人物もある。主要な人物について、まず、みんなが、自分の空想で、その
役柄からいって、ぜひこうでなければならぬという、効果のある舞台への出しかたを研究....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
じ、俳優としては、可なり長い間、そんなに目立った存在ではなく、どちらかといえば、
役柄のごく狭い、風変りな持ち味で、ある種の舞台を面白くするという程度の関心のもた....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
。 源之助はその芸格から見れば、いくらでも出世する場合に立ち、彼でなければ出来ぬ
役柄も多かったけれども、出発点に禍される所があったと思われる。一体源之助という役....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
して下さいよ。 十右衛 では、申上げますが……。(ようよう思い切って。)親分も御
役柄で何もかも御承知の筈でございますが、具足町の和泉屋のせがれも飛んだことになり....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
に置いて筆を執ったのであろうが、初代左団次という人が悪源太義平というような勇壮な
役柄に嵌っていたので、一般の評判も好かった。これはすでに上演と決まった作であるの....
「城」より 著者:カフカフランツ
がやり取りされるはずのところで、ときどき、奇妙な、まったくふさわしくないような、
役柄の交換が行われるように見えるのです。少なくとも秘書たちはそういうふうにいって....
「審判」より 著者:カフカフランツ
なるのをさえぎるために、人差指を口もとにあてたが、時すでに遅かった。Kはすっかり
役柄に没頭していて、ゆっくりと叫んだ。 「ヨーゼフ・K!」 それでも彼がおどか....