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「役立たず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

役立たずの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
動力はもっと奥深いところにある。私はこれらのものがその原動力を活発ならしむことに役立たずして、むしろこれを萎微せしむる結果をきたすことを虞れる。思索家が読書する....
文学について」より 著者:宮本百合子
ようです。それはどういう理由からでしょう。わたしが立候補というような当面の便宜に役立たず創作の仕事をつづけ、また特定の性格に順応しないことが他の党員作家のために....
一つの感想」より 著者:宮本百合子
て芝居としての具体的な性質、芸術的効果に対して敏感な批評が、俳優の発育のためにも役立たず、心に触れる点を含んでいないことは察せられます。滝沢氏は批評の貧困を熱心....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
な旅人は、もっと業《ごう》が煮えたらしく、 「何を聞いても知らぬ、知らぬという。役立たずめが……引込んでおれ。時に丸山氏、いずれこの宮川べりを伝うて行けば、出る....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
の婆さんぐらいのもので、木杭だったら焼けても役に立つのに、まったくヤッカイ千万な役立たずめ、というグアイに始末をしている人夫たち、それが焼け跡の天真ランマンな風....
裏切り」より 著者:坂口安吾
慌てて帳場へ去りました。 こういうわけで、法本がせっかく一席もうけた商談は全然役立たずです。なぜなら、セラダは約束をまもらず、万事をホーテキして日となく夜とな....
地上」より 著者:島田清次郎
廻わしていることを知らなかった。家に帰ると彼は細君にいつも新しいハンケチを一日で役立たずにするといって叱られた。彼はどうして一日のうちにハンケチが垢づくのか分ら....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
直接的福祉に役立つが、しかし取引で作られた財産は迂遠にかつ不確実にしか同じ目的に役立たず、しかもある点においては反対の傾向さえ有っている。』)消費物の国内取引は....
人形と狼」より 著者:香倶土三鳥
狼は大喜びで走って来てみると、それは誰かが落した大きな人形でした。 「ええ、この役立たず奴が」 と狼はあと足で蹴散らかしました。 「乃公のたべ物にならない位な....
変身」より 著者:カフカフランツ
には、両親はどうしても彼の部屋に入ってくることができなかった。これまで両親は妹を役立たずの娘と思っていたのでしばしば腹を立てていたが、今の妹の仕事ぶりを完全にみ....
胎内」より 著者:三好十郎
メス豚だ! マタを上にして、ひっくり返っているメス豚だ! ヘ! そいで、おれは、役立たずの、腰抜けの、モウロクだ! ヒヒヒヒ! にゃあに、ヘヘ、オスの種豚が一匹....
三国志」より 著者:吉川英治
よと一笑に附して、 「魏軍は三十余日も水びたしになったあげく、病人もふえ、軍器も役立たず、ことごとく引き退いてしまったものなのに、何でこれへ出直してくる余力など....