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役立てる
「役立てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
役立てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
す。本屋から千葉の住所を諳記して来てかきとって置いたのが去年の八月である。それを
役立てることが今迄できなかったけれども。『太宰どん! 白十字にてまつ。クロダ。』....
「世相」より 著者:織田作之助
てやっと手に入れた公判記録だが、もう時期を失していた。折角の材料も戦争が終るまで
役立てることは出来ない。といってそれまで借りて置くわけにもいかなかった。 「いず....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
ち直り、この失敗の経験を取り上げ、逆転した情勢をそのまゝに放棄せずに、次の闘争に
役立てるようにしなければならない。 蹴散らされたとは云うものゝ、本工のなかに二....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
い。私はその用途を私が考えていたよりは他の方面に用いることによって、その器を私に
役立てることが出来るだろう。その時には私の憎みは、もう愛に変ってしまうだろう。若....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
した恋愛のトリックなどにも疎いので、小夜子との交遊を、葉子|牽制のカモフラジュに
役立てるようなこともなかったが、別に秘密にしておくほどのことでもなかった。 と....
「ウォーソン夫人の黒猫」より 著者:萩原朔太郎
前に、不吉な猫を殺す手段として、用意して買った物であったが、今こそ始めて、これを
役立てる決行の機会が来たのである。 彼女は曳金《ひきがね》に手をあてて、じっと....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
標もないことは、初めから解りきってる話だから。ではこの「ため」は、「利用する」「
役立てる」という意味になるのだろうか。過去の自然主義の文芸では、多分にそう解した....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
うもない程ますますひどくなってきた。 「慌てちゃいかんいかん。平常の国民の訓練を
役立てるのは今日のためだった」 「武蔵野館の地下室へ逃げて下さーアい」 「風下へ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
である。
批判と淘汰・陶冶を用意しないで、その意味で無条件に、古典を何かの用に
役立てることは、その言葉が示す通り、文献学主義の根本特色の一つである。古典の引用....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
代に処してみずからに課する積極的な方針は、つまり自分に特有な知能を如何に進歩的に
役立てるかということである。 自由主義論が文学という局部に於て脱線したものが偶....
「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
だけではなく、なまじ歴史的に歴然たる存在を有った言葉だけに、カリケチュアの指摘に
役立てるためには、利き目が薄いのが遺憾だ。元来、既成の言葉を使って諷刺することは....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
か、カルシウムやヴィタミンBをお菓子に含有させて、骨格を丈夫にしたり脚気の予防に
役立てる等々の試みは時代に適した行き方で、こういうところへ目をつけることは常に研....
「光は影を」より 著者:岸田国士
う目的に結びついていること、特殊技術としてそれ以外にもつていない外国語をいくらか
役立てること、できればオフィスのテーブルに縛りつけられず、ある程度自由に外を飛び....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
すでにある芸術を政治が利用して有効に
役立てるということはいくらも例のあることであるが、政治の必要から新たにある種の芸....
「撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
へ派遣されて、倍旧の戦闘的ジェスイットとして、「神と祖国のために」極東での経験を
役立てることになった。 十二年経った、一八八〇年の三月に、『禁断国・朝鮮紀行』....