役者が一枚上[語句情報] » 役者が一枚上

「役者が一枚上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

役者が一枚上の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風の便り」より 著者:太宰治
月七日深夜。木戸一郎 井原退蔵様 木戸君。 やっぱり自分のほうが、君より役者が一枚上だと思った。君は、なんのかんのと言いながらも、とにかく仕事をはじめる....
勝敗」より 著者:渡辺温
嗅ぎ廻った。併し、真実お前たちの間に未だ何もなかったのか、それともお前たちの方が役者が一枚上であった故か、容易に僕は尻尾らしいものを掴むことが出来なかった。僕は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の着服をうすうす察しているので、いろいろの口実を作って後ねだりをしたが、彼よりも役者が一枚上であるだけに、平助は刎《は》ね付けて取り合わなかった。又蔵は忌々《い....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
の態だった。老獪とは、こういうところをいうのだろう。 しかしハバノフ氏は、更に役者が一枚上と見えて、嚇されてもすかされても、一向感じないような顔をしていた。リ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
読まれていたのだ。地団駄《じだんだ》ふんでも追っつかない、女と侮った――あちらが役者が一枚上だ。そのまますごすご引返してここへ来る器量の悪さ――実以て面目次第も....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けのことを言って、最後の力で引張り込もうとしたが、この場合において三保谷の方が、役者が一枚上であったから始末にゆきません。腕から辷《すべ》って羽織の裾に取りつき....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うことが、お角をして、多少得意がらせていることは確かです。どうです、わたしの方が役者が一枚上でしょう――といったような優越感が、この女の負けず嫌いを満足させて、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
どうして、敵ながらさる者。拙者の考えでは、ことによると、先方《せんぽう》のほうが役者が一枚上ではないかと……」 「うるさい。会うのはやめいと申すのか」 「いえ、....
夜光虫」より 著者:織田作之助
出る」 「ほな、何を食うんや」 「人を食う。いちいち洒落を言わすな」 男の方が役者が一枚上だった。 「食わん魚釣って売るつもりか」 「おりゃ昔から売るのも買う....