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彼の子
「彼の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
彼の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
まわしながら、片手に実のなった桜の枝を持ち、二三歳の子供を遊ばせている。子供も亦
彼の子に違いない。が、家の内部は勿論、彼等もやはり霧のように長方形の窓を突きぬけ....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
とくにダルガスの心の叫びをも聴きたまいました。黙示は今度は彼に臨《のぞ》まずして
彼の子に臨みました、彼の長男をフレデリック・ダルガスといいました。彼は父の質《た....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ドは宝のかくし場所の秘密を自分の子孫にひそかにつたえたに違いない。セキストン伯は
彼の子孫からこの秘密を買いとったか、又はぐうぜんの機会から知ったに違いない」 「....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
彼、梅野十伍はいつもそうしている。但し床から離れるのは彼ではなくて、小学校にゆく
彼の子供である。彼はラジオ体操を聴けば安心して、更にグウグウ睡れるのである。――....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
てたようです。子供が生れたら、ピアニストにするんだなんて冗談を云いながら、私は、
彼の子供なんか、生める筈はない。生みたいと思わない。と心の中で思ってました。だけ....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
は彼の一大功績であり、文さんはヅネエ、アジ文の名が生れることとなったのだ。かくて
彼の子々孫々、アジの名を冠してよばれ、長く父祖の功績をつたえることとなるのである....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ほか家伝という言葉もあるが、わたしは阿Qと同じ流れを汲んでいるか、どうかしらん。
彼の子孫にお辞儀されたこともない。小伝とすればあるいはいいかもしれないが、阿Qは....
「狂人日記」より 著者:井上紅梅
こいつはテッキリ仲間の一人に違いない。きっと彼等の親達が彼に教えて、そうしてまた
彼の子供に伝えるのだろう。だから小さな子供等が皆憎らしげにわたしを見る。 ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かった。彼自身の家庭は他にあって、そこには若い二号と、その腹にできたマギレもない
彼の子供がいたのである。彼はその子供に死後の全ての財産を与えるという遺言状を書い....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
わたしどもの裏庭の奥に住んでいる三太太《サンタイタイ》は、夏のうち一対の白兎を買取り、
彼の子供等の玩具《おもちゃ》にした。 この一対の白兎は乳離れがしてから余り長く....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
しても山岸の父を呪いつつ死んだ。その恨みの魂がまぼろしの姿を試験場にあらわして、
彼の子たる山岸を苦しめるのではあるまいか。 こう解釈すれば、怪談としてまずひと....
「アイヌ神謡集」より 著者:作者不詳
矢を取りました. クルクルまわりながら私は 風をきって舞い下りました. すると,
彼の子供たちは走って 砂吹雪をたてながら競争しました. 土の上に私が落ちると一し....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
決してそうではなかったであろう。五十鈴川上の地を神霊の地として朝廷に捧げたのは、
彼の子孫ではなくて彼自身であったかも知れない。そうすることによってマーケットの親....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
そうだ! それは確かに怖ろしいことに違いない! が今は唯、彼の頭も身体も、
彼の子供と同じように、休息を欲した。 (大正七年三月「早稲田文学」)....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
世を去ったのは延元三年であったが、それは少し生き過ぎたうらみがないではなかった。
彼の子為道・為藤・為冬・贈従三位為子みなこの世の人でなく、孫の為定もすでに五十一....