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「彼此〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

彼此の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
て了った。余は看護人の如く其の頭の辺に控え、彼の様子を見て、猶様々に思い廻すに、彼此の頃は好い悪事のないのに窮して居るかと、衣服其の他の上に何となく「財政困難」....
運命」より 著者:幸田露伴
情おのずから異なること是の如し。一は人|役に就くを苦み、一は人|用を為すを楽む。彼此の差、勝敗に影響せずんばあらず。 かくて対塁日を累ぬる中、南軍に糧餉大に至....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のですが、真暗なので犬を深す事が出来ません。それで致し方なく、口笛を鳴らしながら彼此三十分近くも蹲んで居りますうちに、向う岸の雫石さんの裏手辺りに誰かいたと見え....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
した際に、郷土の舞踊を移入したものだと謂われているのみならず、その歌詞にも確かに彼此共通の点があり、ことにその歌詞の中に、 中立が、腰にさしたるすだれ柳、枝折り....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
のものは何処にでも発生しうるものであるから、類似の状態の下にいる社会の落伍者が、彼此類似の経路を取って、類似の境遇に流れ込むという事は、何処にもあってしかるべき....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
なりと誤解し、旧唐書が倭と日本とを別国として掲出する場合においても、なお少からず彼此を混同し、また日本を以て「もと小国」などと誤りたる観察を下したのではあったが....
炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
は古く敏達天皇の頃の人で、津軽の殿様の炭焼藤太は最明寺入道の頃の人だという様に、彼此の著しい時代の相違のあるのは、その噺の主人公となっている人物の時代の相違によ....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
ではない。各地に同様の経過をとったものが、けだし少からなんだに相違ない。しかるに彼此の人口漸く増加して、これまでまるで別世界の変った人類であるかの如く考えられて....
サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
通じてはエタとも、非人とも呼ばれていたものであったのである。そしてその称呼は時に彼此相通用し、その実河原者をもしばしば坂の者と呼び、坂の者をも或いは河原者と呼ぶ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
くはなっていない。 マギステルでござるの、ドクトルでござるのと学位倒れで、 もう彼此十年が間、 弔り上げたり、引き卸したり、竪横十文字に、 学生どもの鼻柱を撮ま....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
いう程でないまでも、一般社会の生活の向上に伴わずして、世の進歩に後れているから、彼此の間隔が多くなって、貧乏にも見え、不潔にも見える。品性が下等なのが多いと言わ....
エタと非人と普通人」より 著者:喜田貞吉
タと普通人との間には、まるで人種がでも違ったものの如く考えたのも無理からぬ程に、彼此の地位に懸隔が設けられていた。しかしその中間に非人というものを置いて、さらに....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
諸編は本編説くところを補い、その各部にわたって詳説を試みたものである。したがって彼此重複するところの少からぬは、自ら遺憾とするところではあるが、巨細にわたって研....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
とす。その以下の諸編は、さらに委曲に渉りて部分的にこれを論説考証せるものにして、彼此重複少からざるも、けだし双方これ相俟ってその完きを見るをうべきものなり。読者....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
散逸したものと思われる。 右の両文書、ともに誤写、読みにくいところもあるが、今彼此を参酌して当時の事情を推測してみると、大要次のような事件があったらしい。 ....