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往き還り
「往き還り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
往き還りの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
蔵さんはたびたびこんな呑気屋《のんきや》を銅山《やま》へ連れて行くんで、自然その
往き還りにはこの主人の厄介《やっかい》になりつけてるから、別段気にも留めないのか....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、聞いている半蔵には心にかかることばかりであった。 その日から、半蔵は両国橋の
往き還りに筑波山を望むようになった。関東の平野の空がなんとなく戦塵におおわれて来....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
めに、奥筋の方から早駕籠を急がせて来る木曾福島の役人衆もあった。それらの人たちが
往き還りに馬籠の宿を通り過ぎるだけでも、次第に総督の一行の近づいたことを思わせる....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
れて落ちる。形ばかりの竹を縄搦げにした欄干もついた、それも膝までは高くないのが、
往き還り何時もぐらぐらと動く。橋杭ももう痩せて――潮入りの小川の、なだらかにのん....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
ずに調子を合わせる。中には若い媚めかしい声が交って、化粧した婦も居た。 境も、
往き還り奥の見晴しに通って、縁から峠に手を翳す、馴染の茶店があったのであるが、こ....