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往反
「往反〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
往反の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「安井夫人」より 著者:森鴎外
に蔵《おさ》めて、誰にも話さなかったが、その後は強《し》いて兄と離れ離れに田畑へ
往反《おうへん》しようとはしなかった。 仲平にさきだって、体の弱い兄の文治は死....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
の少女に及ばぬのである。 此を始として温は度々魚家を訪ねた。二人の間には詩筒の
往反織るが如くになった。 ――――――――――――――――――――....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
が方との間に、幾度となく交換せられた要求と拒絶とは、押問答の姿になった。 この
往反の最中に忽ち優善が失踪した。十二月二十八日に土手町の家を出て、それきり帰って....
「青年」より 著者:森鴎外
手の一つ一つの指の節に、抉ったような窪みの附いているのとの上を、純一の不安な目は
往反している。 風景画なんぞは、どんなに美しい色を出して製版してあっても、お雪....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
でつかまって、背延びをして、辛うじてドナウの水を見ている。その散歩道を大勢の人が
往反している。なかには石壁に腰かけて話しているものもいる。そこを歩きながら石壁の....
「じいさんばあさん」より 著者:森鴎外
が、もう年が押し詰まって十二月二十八日となって、きのうの大雪の跡の道を、江戸城へ
往反する、歳暮拝賀の大小名諸役人織るが如き最中に、宮重の隠居所にいる婆あさんが、....
「雁」より 著者:森鴎外
ぬように思われる。きょうに限って岡田さんが内の前をお通なさらぬことは決して無い。
往反に二度お通なさる日もあるのだから、どうかして一度逢われずにしまうにしても、二....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ガレエテはファウストの肘に手を掛け、マルテはメフィストフェレスに伴はれて、園内を
往反す。
マルガレエテ
あなたわたくしをおいたわりになって、ばつを合せ....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
院に仏法僧鳥の啼くのを聴きに行った。夕食を済まし、小さい提灯を借りて今日の午後に
往反したところを辿って行った。この仏法僧鳥は高野山に啼く霊鳥で、運好くば聴ける、....