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「往昔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

往昔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
宙観は正にこのアメンホテプのそれを想出させるものである。この考えによると、無窮の往昔から、いわゆる渾沌に該当する、無限大の空間が存在し、また光と闇との権力が存在....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
れば、それを音響学的に証明しろ――という意味にもなる。それに気が附いたので、僕は往昔マグデブルグ僧正館の不思議と唱われた、『ゲルベルトの月琴』――の故事を憶い出....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
御剣を件の河に投入れ、命を全うして帰参すといふ。古老曰く是れ浅間大菩薩の御在所、往昔より以降、敢て其処を見るを得ず、今の次第|尤も恐るべきかといふ」 以上は源....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
ているというのではないが、何年後になっても折節は思い出すことがあるにつけて、その往昔娘を思っていた念の深さを初めて知って、ああこんなにまで思い込んでいたものがよ....
青春論」より 著者:坂口安吾
男があって、八年前に発狂して死んでしまったけれども、この男の父親は長島隆二という往昔名高い陰謀政治家であった。この政治家は子供に向って、まともな仕事をするな、山....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
は、奉行曲淵甲斐守であった。銅銭会縁起録が開かれたまま、膝の上に乗っていた。 「往昔福建省福州府、浦田県九連山山中に、少林寺と称する大寺あり。堂塔|伽藍樹間に聳....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
るまでを、幼いなりに余り歪められもせずに生い立つことが出来た。そう思って、鶴見は往昔を追想してなつかしがっている。その姉ももうとうに亡くなった。 明治二十年に....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
詩を信じてよいなら――又信じてもよいのであるが――七歳頃から詩作したらしい。 「往昔十四五、出デテ遊ブ翰墨場、斯文崔魏ノ徒、我ヲ以テ班揚ニ比ス、七齡思ヒ即チ壮、....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ただけか」 少し愚痴とは思ったが、そう云わざるを得なかった。 なるほど二人の往昔の仲は、死ぬの生きるの夫婦になろうのと、そういったような深い烈しい、燃え立つ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
たるクジラがマッコー鯨であるために、重大性をもつもののようだ。捕鯨業というものは往昔はセミクジラが主であったがマッコーの発見によって一大飛躍をとげたもののようだ....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
かったものさ。物好きのアベックでもやらんという実に色気のないものだったね。いまや往昔私のようなバカモノを滑り降した代りに、この不毛の砂丘へ熔岩を落下させようとい....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
平も失って藩祖だけを持つようになった。現代日本はなお藩を脱しきれぬ精神状態だが、往昔はそうではなかった。 そしてそれから二代後に、火事で家宝や系図の類を焼いて....
秀吉・家康二英雄の対南洋外交」より 著者:国枝史郎
洋をつつむ東亜新秩序を示唆する声明を発した。 これに関連して想起されることは、往昔に於ける日本の南洋政策のことである。 × × ....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
一種の神人寺賤の徒で、いわゆる唱門師の類とみるべきものらしい。また百万が辻子は、往昔春日社の巫女百万の居所だと伝えていることによれば、これまた類を同じゅうするも....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
を件の河に投げ入れ、命を全うして帰参す云々。古老云ふ、是浅間大菩薩の御在所なり、往昔より以降、敢て其所を見るを得ず云々。今の次第尤も恐る可き乎云々。 とは『吾妻....