往路[語句情報] » 往路

「往路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

往路の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
してくれた。(敵は沖縄本島へ二十日に上陸した。この勇士殿は帰れたかどうか?) ◯往路、車中より神戸の南部の工場地帯が今もなお炎々と燃えつづけているのを見て、「畜....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の部分の印像が特に不鮮明で、形状の差異も、その辺が最もはなはだしかった。そして、往路の歩線は建物に沿うているが、復路には造園倉庫まで直線に行こうとしたものらしく....
小浅間」より 著者:寺田寅彦
で百何十メートル登らなければならないのである。観測の成効を祈りつつ別れをつげた。往路に若い男女の二人連れが自分たちの一行を追い越して浅間のほうへ登って行った。「....
箱根熱海バス紀行」より 著者:寺田寅彦
は忘れずに農園のチューリップと、チューリップの農園の概観を網膜に写すことによって往路の小発見の満足を蒸し返し完成することを忘れなかった。 関八州が急に狭くなっ....
文化祭」より 著者:坂口安吾
」 五助は人々を拝み倒して六人を先頭にのせてくれた。約束の日当一人千円、それに往路の足代千七百七十円、まさか払わないとは思わないから、一行はせきたてられ泡をく....
新春・日本の空を飛ぶ」より 著者:坂口安吾
てもらえなかった。さッさと機上へ押し上げられ有無を言わさず連れ戻されてしまった。往路は見物がてら諸方ゆっくり回って二時間半。復路はまッすぐ一時間十三分。下田上空....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
かけるのが気持がわるいような車だが、それでも二台のうちでは良い方の車なのである。往路では月の浦の上で四十分間故障。復路では山林中でシャフトが折れて三時間立往生。....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
は日本武尊であるから、この戦争の陣立がアベコベになってるように、日本武尊も東征の往路と復路の二ツがあるから、その復路の方が、そして日本武尊が信濃坂で道に迷い伊吹....
余齢初旅」より 著者:上村松園
ではないが、その美しさにひかれて買ってしまったのである。 連絡船往路の長崎丸は静かな船旅であったが、帰途の神戸丸は上海を出離れるとすぐからすこし....
中支遊記」より 著者:上村松園
追いつめて拿捕に協力したと輝かしい偉勲を伝えられている長崎丸、私が長崎から乗った往路は多分その長崎丸であったろう。十月二十九日の晩のことで、一行は京都を出発する....