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「征途〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

征途の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
オリンポスの果実」より 著者:田中英光
それから、合宿で、恒例《こうれい》のテキにカツを食い、一杯《いっぱい》の冷酒に征途《せいと》をことほいだ後、晴れのブレザァコオトも嬉《うれ》しく、ほてるような....
縮図」より 著者:徳田秋声
心を後に残さないように、日頃愛用していたライカアやレコオドを残らず叩き壊し、潔く征途に上ったものだったが、一ト月の後にはノモンハンで挺身奮闘して斃れてしまった。....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
去来の人である。春風は既に予が草堂の簷を吹いた。これから予も軽燕と共に、そろそろ征途へ上ろうと思っている。 同じ年の五月上旬、芥川氏は氏の入社と同時に、東京日....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
簡単なもので、ただ内輪でお杯事をされただけ、間もなく新婚の花嫁様をお連れになって征途に上られたとのことでございました。『斯ういう場合であるから何所へまいるにも、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
って、過去の大家らの軛《くびき》を払いのけた時、パリーの審美眼と道徳とにたいする征途にのぼった時、それは彼にとって、これらの才人らにとってのように一つの遊戯では....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
感得する。 第二編(反抗、広場の市)は、当時の社会的および芸術的虚偽にたいして征途にのぼった、卒直な一徹過激な青年クリストフの騎馬行を――騾馬《らば》屋や役人....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
う前夜とか二三日前、そういう時だけ許した。後日、娘たちの間に、出征の前夜に契って征途をはげます流行があるときいたが、私のはそんな凜々しいものではなかった。私はた....
奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
とが多かったのであろう。かくまでも彼は慎重の態度を執り、前例になく彼自身将として征途に上ったのであったが、泰衡の方ではもと闘志なく、一意恭順を旨としてさきには命....
三国志」より 著者:吉川英治
の利を得て、奇襲縦横にふるまい、諸州の黄匪、連絡をとって、いっせいに後路を断ち、征途の味方は重囲のうちに殲滅の厄にあわんもはかりがたい。 玄徳は、そう考えたの....
三国志」より 著者:吉川英治
、 「張繍はともかく、劉表がうごいては、由々しい大事となろうかも知れぬ」 と、征途を半ばにして、すぐ都へ引揚げた。 許都へ帰るにあたって、彼は、呉の孫策へ早....
三国志」より 著者:吉川英治
憂いがあるし、東には劉表、西には張繍、おのおの、虎視眈々と、この曹操が脚を失って征途につかれるのをうかがっているところだ……」 思いあまってか、諸大将をあつめ....
三国志」より 著者:吉川英治
た。味方の誰にも異論はなかった。 建安十三年の冬、彼の部下一万五千は、南四郡の征途に上った。 趙雲は後陣につく。 もちろん玄徳、孔明はその中軍にあった。 ....
三国志」より 著者:吉川英治
悟った。 年六旬をこえた身で、千里の境外に、七十余万の大軍をひきいて、今やその征途にあるのである。まだ戦いに入らぬうちに、心をいため、身をそこねてどうして呉に....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の屍をふみ越えてさえ戦うのが武門のつね。たたみの上でみまかった父の死水を取って、征途にのぼれるなどは、まだ倖せではございませぬか」 「そうは、とらんのだ。ゆらい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
にいた。 勝栗やら、昆布やら、折敷にはめでたいものが盛ってあった。 彼女らは征途にのぼる武将の歓送には馴れきっている。 ――それなのにと、彼女らはいう。そ....