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待った
「待った〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
待ったの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
さえ、恥《はずか》しいなりをしていましたから、わざわざ夜《よ》の更《ふ》けるのを
待った上、お父さんの寝間《ねま》の戸を叩《たた》いても、御眼にかかるつもりでいた....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
トメント・ストアアはことごとくあのカメレオンの神託《しんたく》の下《くだ》るのを
待った後《のち》、シイズンの支度《したく》にかかるそうですからね。もう世界の信仰....
「冬」より 著者:芥川竜之介
か? 日が暮れても待っているんですか?」
「まあ、とにかく待って下さい。とにかく
待った上にして下さい。」
相手は僕のあばれでもするのを心配しているらしかった。....
「河童」より 著者:芥川竜之介
にしようかと思いました。けれども上高地へ引き返すにしても、とにかく霧の晴れるのを
待った上にしなければなりません。といって霧は一刻ごとにずんずん深くなるばかりなの....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
日毎に近づいて来た。二人は妬刃《ねたば》を合せながら、心|静《しずか》にその日を
待った。今はもう敵打《かたきうち》は、成否の問題ではなくなっていた。すべての懸案....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
とどまっていた。それは将軍|秀忠《ひでただ》の江戸から上洛《じょうらく》するのを
待った後《のち》、大阪の城をせめるためだった。)この使に立ったのは長晟の家来《け....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
代に抱いた師走《しわす》の心もちのよみ返るのを感じた。
僕等は少時《しばらく》
待った後、護国寺《ごこくじ》前行の電車に乗った。電車は割り合いにこまなかった。K....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ちな、一党の客気《かっき》を控制《こうせい》して、徐《おもむろ》に機の熟するのを
待っただけでも、並大抵《なみたいてい》な骨折りではない。しかも讐家《しゅうか》の....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
たかった。が、その心もちは口を出ると、いつか平凡な言葉に変っていた。
「よっぽど
待ったかい?」
「十分も
待ったかしら?」
「誰かあすこに店の者がいたようじゃない....
「路上」より 著者:芥川竜之介
らないと云う事になる。」
「そりゃまあ信用しているさ。が、君は信用した上でも――
待った。一体君は全然人間を当てにしていないのか。」
俊助はやはり薄笑いをしたま....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
るなが》は顔色《がんしょく》を和《やわら》げたまま、静かに三右衛門の話し出すのを
待った。三右衛門は間《ま》もなく話し出した。
「ただこう云うことがございました。....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ただ》軍事用語の知識を与えるばかりである。その他の知識や訓練は何も特に軍事教育を
待った後に得られるものではない。現に海陸軍の学校さえ、機械学、物理学、応用化学、....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
上、別人のように窶《やつ》れている。が、彼女を見ている瞳《ひとみ》は確かに待ちに
待った瞳だった。
「あなた!」
常子はこう叫びながら、夫の胸へ縋《すが》ろうと....
「初雪」より 著者:秋田滋
子のうえに腰をかけた。こうして彼女は時計が一時を打つのを待ち、更に二時が鳴るのを
待った。寒かった。体はぶるぶる顫えた。けれども彼女は風邪を引かなかった。そこで彼....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
視つめていた。彼は、学生が日曜日を待ち佗びるように、日曜が来るのを首をながくして
待った。その日は、教会が絶えず人で雑沓するからである。 教会のなかがじめじめし....