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「待つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

待つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十本の針」より 著者:芥川竜之介
炎の残っている限りは。――もっとも時々彼の声は後代《こうだい》のマイクロフォンを待つかもしれない。 十 言葉 わたしたちはわたしたちの気もちを容....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
見せず、静かにそこへ足を止めました。しかも杖《つえ》をついたなり、わたしの言葉を待つように、一言《ひとこと》も口を利《き》かないのです。わたしは実際恐る恐る、甚....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
硯類《ひっけんるい》は、いずれも清楚《せいそ》と云うほかはない。と思うとまた人を待つように、碧玉の簫《しょう》などもかかっている。壁には四幅《しふく》の金花箋《....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
っ広い胡麻畑《ごまばたけ》が、辷《すべ》るように流れて来た。さびしい花が日の暮を待つように咲いている、真夏の胡麻畑である。何小二はその胡麻の中に立っている、自分....
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
居の囃《はや》しと能の囃しとを、一つにしたようなものである。 僕は、次の狂言を待つ間を、Kとも話さずに、ぼんやり、独り「朝日」をのんですごした。 (大正五年七月十八日)....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ば手紙一本書けぬと言う蜜柑中毒の客の話です。しかしこれはまたいつか報告する機会を待つことにしましょう。ただ半之丞の夢中になっていたお松の猫殺しの話だけはつけ加え....
路上」より 著者:芥川竜之介
たたず》んでいた。 雨脚《あまあし》の強弱はともかくも、女は雨止《あまや》みを待つもののごとく、静に薄暗い空を仰いでいた。額にほつれかかった髪の下には、潤《う....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
るような声を出して、「おい、ウイスキイを一杯」と命令した。そうしてそれが来るのを待つまでもなく、本間さんの方へ向き直って、鼻眼鏡の後に一種の嘲笑の色を浮べながら....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
界《しょせんにんがい》が浄土になるには、御仏《みほとけ》の御天下《おんてんか》を待つほかはあるまい。――おれはそう思っていたから、天下を計る心なぞは、微塵《みじ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
てしまうのですが、ちょうどその夜は日の暮からさっと一雨かかったので、始は雨止みを待つ心算《つもり》ででも、いつになく腰を落着けたのでしょう。色の白い、眉の迫った....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
体に戻らぬと仕事が出来ぬのでな……。その中直に始まるであろうから、しばらくここで待つがよい。』 そんなことを言っている中にも、何やら通信があるらしく、お爺さん....
歯車」より 著者:芥川竜之介
聞いたばかりの幽霊の話を思い出した。が、ちょっと苦笑したぎり、とにかく次の列車を待つ為に停車場前のカッフェへはいることにした。 それはカッフェと云う名を与える....
蜜柑」より 著者:芥川竜之介
じながら、後の窓枠へ頭をもたせて、眼の前の停車場がずるずると後ずさりを始めるのを待つともなく待ちかまえていた。ところがそれよりも先にけたたましい日和下駄の音が、....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ンチ、幅と厚さは各々〇・五インチである。これを磁極の間に吊して、振動の静まるのを待つ。そこで電池をつないで磁気を生じさせたから、ガラスの棒はすぐに動いて。少々振....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
いない。僕等はベンチに腰をおろし、一本の巻煙草に火をつけながら、川蒸汽の来るのを待つことにした。 「石垣にはもう苔が生えていますね。もっとも震災以来四、五年にな....