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待受け
「待受け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
待受けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
弓矢の業をもって、麓に住む荒い獣を半殺しの程度にして狩り取り、湧玉の水のほとりに
待受けていて、女を見ると、屠《ほふ》り殺した。 小牛ほどの熊を引ずって来て、そ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
努める。自分の卑屈な役割は一度も顧ることなしに、また次の申付けをおどおどしながら
待受けているさまは、鼈四郎には自分が電気を響かせるようで軽蔑しながら気持がよいよ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
す言葉をほぼ予測したらしく、面白そうに嬌然と笑ってこんどは娘の方から芸妓の言葉を
待受けた。芸妓は果して 「あら、ご馳走さま、妬けますわ」と燥いでいった。 「とこ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ります。照之助はその二番目の士蔵の前へ連れてゆかれますと、土蔵の中にはさっきから
待受けている人があるとみえて、手燭の灯が小さくぼんやりと点っていました。わたくし....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
名し、富子という女を連れ、一昨日以来、原の町ともえ旅館離れ竹の間に泊りこみ誰かを
待受けている様子です” となる。 「ははあ、例の男というのは笹山鬼二郎のことだ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
ンの壜をうばってにげた。二度目には、警視庁から出て来た千二を、日比谷公園のそばに
待受けていて、むりやりに自動車に乗せてしまった。そうして、交通掛の警官においかけ....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
へおいで遊ばすお方に、山田が玄関なら、それをお通り遊ばして、どうぞこちらへと、お
待受けの別嬪が、お袖を取るばかりにして、御案内申します、お客座敷と申しますような....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
質問を浴せかけるのだった。 辛うじてそこを切抜けて下宿へ帰ると、そこにも記者が
待受けていた。それから入れ代り立ち代り、各社の記者の訪問を受けた。私は終いには大....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
しく立ち騒いで、かれらをおどろかすのは禁物である。かれらが油断して近寄るところを
待受けて、ただ一発に撃ち落さなけれはならない。ついては、その本陣の詰所を土地の庄....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
かに復讐の機会を待っていた。そうして、水野の一群が吉原見物から帰る途中を日本堤に
待受けて、不意に彼等を取囲んだのである。その時に水野だけは馬に乗っていた。播磨も....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
嫌うのである。此方が火を消したならば、恐く勢いを得て突出して来るであろう。そこを
待受けて囲み撃つという計略であった。守ること固きものは誘うて之を撃つ、我が塚田巡....
「活人形」より 著者:泉鏡花
の取れたるにぞ、いでこの時と泰助は、下枝を抱きて易々と庭口に立出づれば、得右衛門
待受けて、彼はお藤を背に荷い、これは下枝を肩に懸けて、滑川にぞ引揚げける。 時....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
のが残った。 四 引手茶屋山口巴から使を出して招んだ得意客を
待受け、酒宴をして居ると夕暮になった。 相変らず酒宴の座を一人持ち切りで掻き廻....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
みとなって思索から思索へと累進するときに、層々の闇の中にときどき神秘なうす明りが
待受けていて何か異香らしいものさえ鼻に薫じた。距離感と時間的観念とはいつの間に消....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
針盤兼、白血球であります。 白血球というものは、悪い黴菌が潜入するとき血液内に
待受けていて喰い殺す役目を勤める肉体の保護者です。私たちはそれが居るとは知らずに....