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律動的
「律動的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
律動的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
完全な姿であろう! 全身|些《いささ》かの隙《すき》もない逞《たくま》しい緊張。
律動的で、しかも一|分《ぶ》のむだもない棒の使い方。疲れを知らぬ肉体が歓《よろこ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ち、周期的交代を示すというスペンサーの考えが適用される。もっとも、この交代し方は
律動的とは名づけ難いかも知れない。それは、この太陽の世界における交代の周期は、分....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
したような肉体を持つ魔性の生物は、渚に泳ぎ寄る水母のように、収縮と拡張の二運動を
律動的に繰返すのだ。又、じっとその運動を眺めて居ると、心臓は恰も自分の自由意志を....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ふざけて、笑いながらこちらを向いて来るところを、不意に撮ったと見え、手脚の動きが
律動的で美しく見えた。 「これがこないだの。元ちゃんが少し動いたんでぼやけちゃっ....
「病院の夜明けの物音」より 著者:寺田寅彦
だあまりに静かな時に自分の頭の中に聞こえる不思議な雑音や、枕に押しつけた耳に響く
律動的なザックザックと物をきざむような脈管の血液の音が、注意すればするほど異常に....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
があって、その筋書きによって代表された一つのまとまった全体があり、そういう点では
律動的でない戯曲や小説や紀行文や随筆やとも共通な要素をもっている。それに付帯して....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
現われたこの監督の鋭敏な肌理の細かい感覚である。換言すれば映画芸術の要素としての
律動的要素の優秀なるできばえである。従って一つの楽曲のおもしろさを貧弱な人間の「....
「映画芸術」より 著者:寺田寅彦
の石のライオンの組み合わせに過ぎないということである。 このように静的なものの
律動的配合によってさえ非常に動的な陪音を生じうるのであるから、動的なものの結合か....
「厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
水の流れや風の吹くのを見てもそれは決して簡単な一様な流動でなくて、必ずいくらかの
律動的な弛張がある、これと同じように生物の発育でも決して簡単な二次や三次の代数曲....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
だが、この場合でもやはりそれがある。音楽と運動の律動につれて、この笑顔にも一種の
律動的変化を感じる事が出来る。 柿色の顔と萌黄色の衣装の配合も特殊な感じを与え....
「鴉と唱歌」より 著者:寺田寅彦
い見物である。しかるに、不思議なことには、これが老人の歌の拍子にうまく合うように
律動的に頭を動かしているように見えるのであった。もしや錯覚かと思って注意してはみ....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
りとの間を往来した。然し今投げやり投げ返されるのは彼自身であった。そして、殆んど
律動的な残忍な上下動に身を任しているうち、彼は遂に一つのものに辿りついた。それは....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るに困難であろう。もしそれをなし得ても、所々に鎖の環《わ》が見落とされる。しかし
律動的な運動の合い間合い間には、種々の観念がつみ重なり、種々の幻像が浮かんでくる....
「狂女」より 著者:秋田滋
身動きが出来なかったので、ぼんやり肱掛椅子に凭りかかっていた。折しも僕は重々しい
律動的な跫音をきいた。普魯西の軍隊が来たのだ。そして僕は窓から彼等の歩いてゆく姿....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
るのです。 次に、人工心臓です。心臓は申すまでもなく、収縮と拡張との二運動を、
律動的に交互に繰返して居ります。心臓のこの
律動的に動く有様を、やはり水銀をもって....