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後の事
「後の事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後の事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
くじっと私の顔を見つめていたが、やがて口もとに無理な微笑を浮べながら、
「その以
後の事は申し上げるまでもございますまい。が、ただ一つ御耳に入れて置きたいのは、当....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
となく、変り易い世間の男心に、一切の原因を見出そうとした。が、男の来なくなった前
後の事情を考えると、あながちそうばかりも、思われなかった。と云って何か男の方《ほ....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
を文字通り、脛《はぎ》を没する泥濘《でいねい》に満そうとしている、ある寒い日の午
後の事であった。李小二《りしょうじ》は丁度、商売から帰る所で、例の通り、鼠を入れ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
んど》私の前にその姿を現しました。これは前週の火曜日、即ち二月十三日の午後七時前
後の事でございます。私はその時、妻に一切を打明けなければならないような羽目《はめ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
らぬ。が、不幸にも彼の日記はちょうど最後の打撃を受ける一日前に終っている。ただ前
後の事情により、大体の推測《すいそく》は下《くだ》せぬこともない。わたしは馬政紀....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
友人とに抱かれたまま、昏々として気を失ってしまいました。
それから何日か経った
後の事です。新蔵はやっと長い悪夢に似た昏睡状態《こんすいじょうたい》から覚めて見....
「或る女」より 著者:有島武郎
公然と知れわたっていたからの事だった。
それは葉子が私生子を設けてからしばらく
後の事だった。ある冬の夜、葉子の母の親佐《おやさ》が何かの用でその良人《おっと》....
「或る女」より 著者:有島武郎
害物がまっ暗に立ちふさがっているのを感じた。嫌悪《けんお》の情にかきむしられて前
後の事も考えずに別れてしまったのではあったけれども、仮にも恋らしいものを感じた木....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
とに閉じこめられてしまった。 私がそこを発って東京に帰ったのは、それから三四日
後の事だった。 今は東京の冬も過ぎて、梅が咲き椿が咲くようになった。太陽の生み....
「親子」より 著者:有島武郎
てへ駈け出すように出て行ってしまった。彼はそこに立ったまま、こんな結果になった前
後の事情を想像しながら遠ざかってゆく靴音を聞き送っていた。 その晩父は、東京を....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に理解させることは出来ないものである。 顔や性格の変化に人々が注目し始めたのは
後の事で、かれが燦爛たる黄金や貝類が光っている花聟の盛装を身につけて、友達や親戚....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
でしょう。早くこちらの世界の物語に移りたいと思いますが……。 ナニ私が死ぬる前
後の事情を物語れと仰っしゃるか……。それではごく手短かにそれだけ申上げることに致....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
として顕れている―― 按摩の謙斎が、療治しつつ欣七郎に話したのは――その夜、食
後の事なのであった。 三 「半助さん、半助さん。」 すらすらと、....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
をしたな、トこう思って取ったのは、まだモ少し種々なことをいいあってから、それから
後の事で。 はじめは先生も笑いながら、ま、あなたがそう思っているのなら、しばら....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
で。香水の瓶の口を開けていたのを、二度目に行燈を提げて上って女房が見た。が、その
後の事は分らぬ。もっとも屏風をたてて下りた。その後はいかにしけんか知らず。 た....