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後の祭
「後の祭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後の祭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
た。
先生はびっくりして、余の手を遮り「何をなさる、何を成さる」と叫んだけれど
後の祭りだ、顔形は極|脆《もろ》い蝋の細工ゆえ、早や床の上で粉微塵に砕けて了った....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
太が一生の不覚、あやまりました」 彼はしきりに恐縮していた。 「今さら叱っても
後の祭りだ。その罪ほろぼしに身を入れて働け」と、半七は苦笑いした。「おめえは早く....
「地中魔」より 著者:海野十三
たが、気がつかなかった。駈けつけた少年探偵三浦三吉も口惜しがったが、すべてはもう
後の祭だった。 岩は地の底へ巧みに作られた自分の巣窟に帰ると、いきなり部下を集....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
意味で、僕などがもっと彼と往来して、彼の生活力を、刺激したならばと思うが、万事は
後の祭りである。 作家としての彼が、文学史的にいかなる位置を占めるかは、公平な....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
調たるに施寧は俄に店を仕舞い七月六日午後横浜解纜の英国船にて上海に向け出帆したる
後の祭にて有たれば大鞆の気遣いし如く一大輿論を引起すにも至らずしてお紺まで放免と....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
や了ぬ、了ぬ、俚諺にも鉄の冷ぬうちに打てと云う事が有る、余温を冷ましては何も彼も
後の祭だ余「では余温の冷めぬうちに甘く見破る工夫が有るのか目「随分険呑な工夫だけ....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
。生前にこの事実を知ったら、何か旨い忠告が試みられたかも知れない――が、すべては
後の祭りだった。 野村は、彼を信頼して、死後遺書を送って来た重明に対して、どう....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ン、ズドン! 警官たちの手から、いっせいにピストルが火をふいたが、もうこうなれば
後の祭だ。四馬剣尺のブラ下ったヘリコプターは、折からの半月の空を、しだいに遠く、....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
め。そして博士が到着しないと分ると、そこで初めて目黒へ駆けつけた。そのときはもう
後の祭だ。博士はもの言わぬ人となって目白署へ収容され……そうだ、まだ貴様にいうこ....
「雷」より 著者:海野十三
と思ってるよ。こうと知ったらお里を四郎から引放さんで置くんじゃったとナ」 「もう
後の祭だ。あの慾深親父も、今更どうしようたって仕方がないだろう」 「いや、あの親....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
かくされた無数の新鋭駆逐機や雷撃機が凄じい威力を表したであろうに、今はすべてが、
後の祭となってしまった。 飛行島は、ついに戦の前に爆破してしまったのである。そ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、それよりも、彼女の勇気と、生きる力を信じようとしたからであつた。 すべては、
後の祭りだ、という気がした。しかし、それにしても、眼をつぶつていていゝのであろう....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
美事にぬいだストリップ。アッ! 今日はバタフライをつけてなかったか、気がついたが
後の祭り、ワアーとはやされ逃げ込むおかしさ。 「サアサアサア今度はかくし芸かくし....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
例えば、ヤソ教の儀式は人の誕生の時に始まり、冠婚より葬式に至りて終わる。さらに死
後の祭典供養をなすの儀式なし。仏教はこれに反して、その儀式葬時に始まり、死
後の祭....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
た。杖を力に立ち上ると水は胸迄しかないので、岸近くだけに急いで駆け上ったが、もう
後の祭であった。 日脚の指さぬ谷間の空気は急に寒さを増したような気がする。衣物....