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後ろ
「後ろ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後ろの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
く》の尾を垂れた上、シルク・ハットを仰向《あおむ》けにかぶっている。この綱や猿の
後ろは深い暗のあるばかり。
7
この玩具屋のある仲店の....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
力の無い、声よりも息に近いものだった。重吉は舅にこう言われると、時々彼の不人情に
後ろめたい思いもしない訣ではなかった。けれども「離れ」へはいることはどうも彼には....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
である。
三
彼が「性に合わない」という語《ことば》に力を入れた
後ろには、こういう軽蔑が潜んでいた。が、不幸にして近江屋平吉には、全然そういう意....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
とした体格の女が一人、大きな桶《おけ》を伏せた上に、踊り狂っているのを見た。桶の
後ろには小山のように、これもまた逞《たくま》しい男が一人、根こぎにしたらしい榊《....
「河童」より 著者:芥川竜之介
――僕が河童《かっぱ》というものを見たのは実にこの時がはじめてだったのです。僕の
後ろにある岩の上には画《え》にあるとおりの河童が一匹、片手は白樺《しらかば》の幹....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
に半開きの扇をかざしていた。………
「おい、君。」
僕は驚いてふり返った。僕の
後ろにはいつの間にか鼠色《ねずみいろ》の大掛児《タアクアル》を着た支那人が一人、....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
それから煤《すす》びた壁の上にも、今夜だけは十字架《くるす》が祭ってある。最後に
後ろの牛小屋へ行けば、ぜすす様の産湯《うぶゆ》のために、飼桶《かいおけ》に水が湛....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
なりました。御覧なさい。あのおん姿を?」
神父は厳《おごそ》かに手を伸べると、
後ろにある窓の硝子画《ガラスえ》を指《さ》した。ちょうど薄日に照らされた窓は堂内....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
巻煙草に火をつける時、右の手ばかり脱《ぬ》いだのを持って歩いていたのだった。彼は
後ろをふり返った。すると手袋はプラットフォオムの先に、手のひらを上に転《ころ》が....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
さ》の間《あいだ》にK君の「新時代」を発見した。それは砂止めの笹垣《ささがき》を
後ろに海を眺めている男女だった。尤《もっと》も薄いインバネスに中折帽をかぶった男....
「少年」より 著者:芥川竜之介
白い訣《わけ》ではない。腰も若いもののようにまっ直《すぐ》である。しかしそう云う
後ろ姿はなぜか四歳《しさい》の保吉の心にしみじみと寂しさを感じさせた。「お父さん....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
悉達多は車匿《しゃのく》に馬轡《ばひ》を執《と》らせ、潜《ひそ》かに王城を
後ろにした。が、彼の思弁癖は屡《しばしば》彼をメランコリアに沈ましめたと云うこと....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
も一足《ひとあし》出すが早いか、熱鉄《ねってつ》か何かを踏んだようにたちまちまた
後ろへ飛びすさった。夫は破れたズボンの下に毛だらけの馬の脚を露《あらわ》している....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
し島木さんにこう言われると、忽ち下司らしい気がし出した。 それから又島木さんは
後ろ向きに坐ったまま、ワイシャツの裾をまくり上げ、医学博士の斎藤さんに神経痛の注....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
って来た。一人は年をとっているが、もう一人のほうは若い。どうやら母娘らしい。その
後ろについて、その女の連れらしい一人の男が彼の前を通った。教会から出て来ると、彼....