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後ろめたい
「後ろめたい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後ろめたいの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
力の無い、声よりも息に近いものだった。重吉は舅にこう言われると、時々彼の不人情に
後ろめたい思いもしない訣ではなかった。けれども「離れ」へはいることはどうも彼には....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
の不愛想さは一体どうしたことであろう。 芳子は取りつく島のない想いの底に、何か
後ろめたい気持を、ひやりと覗きながら、 「銀ちゃんのことよ。グッドモーニングの…....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でありました。 それは、自分たちとしては、誰に逢っても、誰と話をしても、さらに
後ろめたいことは無いけれども、自分たちの連れには、人に知られていいか、悪いかわか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いものとするとともにここまで来て……引返すということの意気地のなさを、自分ながら
後ろめたいものにもする。そこで、結局、行くべきものか、帰るべきものか、白雲ほどの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
てありました。 庭下駄を突っかけて、その駕籠の傍へ寄って来たおかみさんは、何か
後ろめたいように見返しました時、前の駕籠の垂《たれ》が細目にあいて、 「おかみさ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、それがまだ着かない。 自分で振切ったものを待っているというようになっては、
後ろめたい話だが――そうかといって、約束は約束だ。 こういう時に、吉原でさんざ....
「探偵小説アルセーヌ・ルパン」より 著者:婦人文化研究会
私的生活についても詳細に探られたが、三人が三人、その行為は最も正しく、いささかも
後ろめたいような点はなかった。 こうして盗まれた綴れ錦の壁布――予備陸軍大佐の....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
。手前なんざ、奈落で、廻り舞台を担いでろっ」
富士春は、益満と、いつの間にか、
後ろめたい関係になっていたので、庄吉の意気込みに、気圧《けお》されていたが、お嬢....
「涸沢の岩小屋のある夜のこと」より 著者:大島亮吉
らなかった。 自分自身の心胸にもそのときはいろいろのことがおもい浮んだ。暗い、
後ろめたい思想が自分を悩まし、ある大きな圧力が自分の心を一杯にした。そしてついに....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
言葉なので、そう思ってみますものの、やはり盗みは盗みに相違ございません。どこやら
後ろめたいものに襲われまする」 「何の、意気地のない」 年老った方の一文字笠は....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
告げてきたお米は、そこに、少しも変りなく賑わっている大阪の町を眺めて、なんとなく
後ろめたい気持であった。 怖ろしい体験と、執念ぶかい男のなぐさみに耐えてきた女....