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「後ろ向き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

後ろ向きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
めに見た格子戸《こうしど》造りの家の外部。家の前には人力車《じんりきしゃ》が三台後ろ向きに止まっている。人通りはやはり沢山ない。角隠《つのかく》しをつけた花嫁《....
或る女」より 著者:有島武郎
い、いわば心《しん》の弱い強がり家《や》ではないかしらんというのだった。葉子は今後ろ向きになった田川夫人の肩の様子を一目見たばかりで、辞書でも繰り当てたように、....
或る女」より 著者:有島武郎
もあんまりわからない……」 といいながら今度は葉子のほうから倉地の膝《ひざ》に後ろ向きにもたれかかった。倉地はそれを退けようとはしなかった。 「何がわからんか....
卑怯者」より 著者:有島武郎
味にまでなって読むほどの余裕をその車に与えた。その時車の梶棒《かじぼう》の間から後ろ向きに箱に倚《よ》りかかっているらしい子供の脚を見たように思った。 彼がし....
星座」より 著者:有島武郎
* * 紺の上っぱりを着て、古ぼけた手拭で姉さんかぶりをした母が、後ろ向きに店の隅に立って、素麺《そうめん》箱の中をせせりながら、 「またこの寒い....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
女を感じながら、夜具を敷こうとすると、娘ははっとしたように飛び上って、部屋の隅へ後ろ向きに立った。 六畳のうち、二畳は暗室に使っているので、狭い。だから、夜具....
新生」より 著者:島崎藤村
ゃいッて」と節子は繁の方へ顔を寄せて言った。岸本は嬉《うれ》しげに飛んで来る繁を後ろ向きにしっかりと抱きしめて、さも重そうに成人した子供の体躯《からだ》を持上げ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
びかかって敵の真っ向をうち砕くのである。もし第一線を躊躇せずに進んで来ると、彼は後ろ向きのままで蛇よりも早くするすると引下がって、更に第二線を守るのである。第一....
家なき子」より 著者:楠山正雄
ん来かけていた。砂けむりがうずを巻いて上がった。砂が目にはいるので、わたしたちは後ろ向きになって、両手で目をおさえなければならなかった。空にいなずまがひらめいて....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
し島木さんにこう言われると、忽ち下司らしい気がし出した。 それから又島木さんは後ろ向きに坐ったまま、ワイシャツの裾をまくり上げ、医学博士の斎藤さんに神経痛の注....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
衛の構えは全く崩れ、タ、タ、タ、タ、タ、タと崩砂のように、広い道場を破目板まで、後ろ向きに押されて行った。そうしてピッタリ破目板へ背中をくっつけてしまったのであ....
那珂川の鱸釣り」より 著者:佐藤垢石
竿先が、折れるのではあるまいかと思うくらいの強引だ。私は竿を引き抜くと、それを後ろ向きに肩に担いで、河原へ向かって駆け上がった。そして、河原の小石の上を二十間....
画道と女性」より 著者:上村松園
れに取合せるのにはやはり風俗は同じ頃がいいと思い、人物の年輩は嘗て帝展に出品した後ろ向きに立った年増の婦人を想い浮かべた。品のある優雅な町方の上流婦人が、暮れか....
人狼」より 著者:岡本綺堂
へ入れましょう。 (モウロと正吉はおいよをかき上げて、家の内に運び入れ、炉の前へ後ろ向きに横える。) 正吉 鉄砲で撃たれたのでしょうか。 (モウロはおいよを抱き....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
りの洋間だった。大きなデスクには読みかけの洋書が開いてあった。廻転椅子がくるりと後ろ向きになっているところを見ると、急に起ち上ったものらしい。机の上の花瓶にはカ....