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後ろ姿
「後ろ姿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後ろ姿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
散《いっさん》に走って行《ゆ》く。
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父親らしい男の
後ろ姿。ただしこれも膝の上まで。少年はこの男に追いすがり、しっかりと外套の袖を捉....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
刀の下に、全身の筋肉が一時にゆるむような気落ちを感じて、月に黒く逃げてゆく相手の
後ろ姿を見送った。そうしてそれと共に、悪夢からさめた人のような心もちで、今自分の....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
じた。第一にこう云う坊主の態度は仇《あだ》を持つ人とも思われなかった。第二にその
後ろ姿は伝吉の心に描《えが》いていたよりもずっと憔悴《しょうすい》を極めていた。....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
うして、もう一度手拭を洗い出しながら、柘榴口《ざくろぐち》の方へ歩いて行く馬琴の
後ろ姿を見送って、これから家へ帰った時に、曲亭先生に遇《あ》ったということを、ど....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ら。チャックなどはまっぴらごめんだ。」
僕らはぼんやりたたずんだまま、トックの
後ろ姿を見送っていました。僕らは――いや、「僕ら」ではありません。学生のラップは....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
けさを漂せた。そのもの静かな森の路をもの静かにゆきちがった、若い、いや幼い巫女の
後ろ姿はどんなにか私にめずらしく覚えたろう。私はほほえみながら何度も後ろをふりか....
「少年」より 著者:芥川竜之介
白い訣《わけ》ではない。腰も若いもののようにまっ直《すぐ》である。しかしそう云う
後ろ姿はなぜか四歳《しさい》の保吉の心にしみじみと寂しさを感じさせた。「お父さん....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
言ったときには中原の足は自分の頭より高い所にあった。上を見るとうす暗い中に夏服の
後ろ姿がよろけるように右左へゆれながら上って行く。自分もつえを持ってあとについて....
「或る女」より 著者:有島武郎
なかった。
木部が改札口を出て姿が隠れようとした時、今度は葉子の目がじっとその
後ろ姿を逐《お》いかけた。木部が見えなくなった後も、葉子の視線はそこを離れようと....
「或る女」より 著者:有島武郎
をして昼間《ひるま》の中を野毛山《のげやま》の大神宮のほうにでも散歩に行くらしい
後ろ姿を見た。そそくさと朝の掃除を急いだ女中たちの心も葉子には読めた。葉子はその....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ンに消えた。――頭からゾッとして、首筋を硬く振り向くと、座敷に、白鷺かと思う女の
後ろ姿の頸脚がスッと白い。 違い棚の傍に、十畳のその辰巳に据えた、姿見に向かっ....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
掛けてる。背丈すらっとして色も白い方でちょっとした娘だ。白地の手ぬぐいをかぶった
後ろ姿、一村の問題に登るだけがものはある。満蔵なんか眼中にないところなどはすこぶ....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
ば飛ぶ雪の影 ああわれは天に行く テレマーク 雪を飛ばして行く 直滑降の
後ろ姿 ひざまずくと思えば さっとたつ雪煙の中 側面の彼の姿 雪をきるスキーのき....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
て順次に三人が止まると「それでは失敬」と帽子をとる。一人別れてすべって行く小林の
後ろ姿を雪が降りしきっている。一人へってもだいぶ寂しい。 十二月三十一日。戸田....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
んの唇を見給え。あれは何人もの接吻の為に……」 僕はふと口を噤み、鏡の中に彼の
後ろ姿を見つめた。彼は丁度耳の下に黄いろい膏薬を貼りつけていた。 「何人もの接吻....