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後先
「後先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いるんだ。隠しちゃあいけねえ。さもねえと、おれが親分に嘘をついたことになる。よく
後先《あとさき》をかんがえて返事をしてくれ」 「でも、わたくしはなんにも知りませ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
燈籠の白い明と、板塀の黒い蔭とに挟って、平くなっていた、頬被をした伝坊が、一人、
後先を※して、密と出て、五六歩行過ぎた、早瀬の背後へ、……抜足で急々。 「もし、....
「河明り」より 著者:岡本かの子
を護らせられるように出来ている女の本能、老後の頼りを想う女の本能、そういうものが
後先の力となって、自分で生むと生まないとに係らず、女が男の子というものに対する魅....
「遺書」より 著者:尾崎秀実
す程のことはありませんが、家内へ申し伝えたい言葉を先生までお伝え致しおき、小生死
後先生よりお伝え願ったらいかがなものかと、ふと心付きましたのでこの手紙を認めまし....
「夜の隅田川」より 著者:幸田露伴
東京のものもやるが、世帯船というやつで、生活の道具を一切備えている、底の扁たい、
後先もない様な、見苦しい小船に乗って居る余所の国のものがやるのが多い。川続きであ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
を命|打込んで御見せ申たけれ。扨は迷惑、一生|可愛がって居様と思う男に。アレ嘘、
後先|揃わぬ御言葉、どうでも殿御は口上手と、締りなく睨んで打つ真似にちょいとあぐ....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
の姐さん、ここらでその本名を名告るのかと可笑しくもございまする。 すると、女は
後先を※しましたが、じりじりと寄って参り、 「時につかぬ事をお伺い申しまして、恐....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「いらっしゃいまし。」 縁側に手を支えて、銀杏返の小間使が優容に迎えている。
後先になって勇美子の部屋に立向うと、たちまち一種身に染みるような快い薫がした。縁....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
学校を去ってしまわれていた。私は鶴が飛び立ってしまったような空虚さを感じた。その
後先生にはお目にかかる機会もなく年月は過ぎてしまった。 が私が二十七歳のとき、....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
歯だ。ベレスフォードに、男の子がいるとは……天運とはこのこと。と、ただ復讐一図に
後先もかんがえず、やがて、ちいさな寝台から抱えあげたその子を、毛布にくるんでそっ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
茄子はお好きだったようで、どんなにしたのでも召上りますが、炭火のおこった上に、
後先を切って塩を塗ったのを皮のままで置き、気を附けて裏返します。箸を刺して見て、....
「想い出」より 著者:上村松園
『左伝』は特に好きで、その時分、都路華香さん、澤田撫松さんなど御一緒でした。その
後先生が亡くなり、長尾雨山先生に就いて矢張漢学を勉強致しましたが、この漢学から受....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ったです。四年目、四年目に閏月のある事は同じであるけれども、こういう具合に一年|
後先になって居るばかりでない。月の内の日を繰ることもチベット暦では大変妙な繰り方....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ら、無理は無い。
あれを見給え。大勢が活溌に
田畑の上へ散らばって行く。
川には
後先になったり並んだりして、
面白げに騒ぐ人を載せた舟が通っている。
あの一番跡....
「宝石商」より 著者:小川未明
分は、いよいよ死ぬのだと思いました。そして、しばらく雪の上にすわって闇を見つめて
後先のことを考えました。 そのとき、彼は、かすかに、前方にあたって、ちらちらと....