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「後光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

後光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
闇を照らすこの不思議のひかりは、玉藻のからだからほとばしったのであった。彼女は後光《ごこう》を背負う仏陀のように、赫灼《かくしゃく》たる光明にあたりを輝かして....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
とをも承知しなかった。 「ここらの人はとかくにあらぬことを言い触らす癖があって、後光がさしたの、菩薩があらわれたのと言う。その矢さきに堂塔などを荘厳にいたしたら....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
間に、数段にも自働的に作用する複雑な方舵機があり、色々な関節を動かす細い真鍮棒が後光のような放射線を作っていて、その間に、弾条を巻く突起と制動機とが見えた。続い....
獄中記」より 著者:大杉栄
食っても極まりなくうまい。 まずあの白い飯だ。茶碗を取り上げると、その白い色が後光のように眼をさす。口に入れる。歯が、ちょうど羽布団の上へでも横になった時のよ....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
から、柔道でつまずくのと同意義な、少し違うようなまた同じような意義になる。戸田は後光を背負っているようだがどこが光るやら。一間は確かに滑る。立って三尺、倒れて二....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
いましゅから、白い浪の打ちかえす磯端を、八|葉の蓮華に気取り、背後の屏風巌を、舟後光に真似て、円座して……翁様、御存じでございましょ。あれは――近郷での、かくれ....
」より 著者:海野十三
その当て外れした心細さに引きかえ、曾ては仲を裂きまでした北鳴が、こうして全身から後光の出るような出世をして、二千円や三千円の金は袖に入れているという風な豪華さで....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
稲の髪には念を入れた。……島田が乱れて、糸も切もかからぬ膚を黒く輝く、吾が天女の後光のように包むを見さい。末は踵に余って曳くぞの。 鼓草の花の散るように、娘の....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ゃんと取って、蝋燭を頂くと、さもその尊さに、生際の曇った白い額から、品物は輝いて後光が射すように思われる、と申すものは、婦の気の入れ方でございまして。 どうで....
縁結び」より 著者:泉鏡花
んだ。悪い梟さ。この森にゃ昔からたくさん居る。良い月夜なんぞに来ると、身体が蒼い後光がさすように薄ぼんやりした態で、樹の間にむらむら居る。 それをまた、腕白の....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
玄白堂に妖しい奇蹟が現われたと云うのである。それが、天人像の頭上に月暈の様な浄い後光がさしたとの事なので、ともかく一応は調べる事になり、胎龍と空闥の二人が玄白堂....
獄中消息」より 著者:大杉栄
世のあらゆる悲哀を甞めて、 息の喘ぎ、病苦、あふるる涙、 その聖なる神性によりて後光を放ち、 蒼白のおもて永遠に輝く。 かくして君が大理石の額の上に、 悲哀の生....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
中を、黄色い星の群れが、迷いさまよってでもいるかのように、その金色の円盤が、島を後光のように覆うていたとか申します。そして、ベーリングはただ一人小舟を操って、そ....
百喩経」より 著者:岡本かの子
神様の体まで見てしまったものと早合点したのさ。あれは神様じゃ無いよ。あれは神様の後光だけなんだよ。神様の体なんていものは伊太利の生章魚のようにその居場所によって....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て終には文学その物の価値までが危なっかしくなり、ツルゲーネフやドストエフスキーの後光が段々薄くなり出すと、これらの文豪に比べて遥に天分薄い日本の文人亜流――自分....