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後刻
「後刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
嬢さんのお伴をして、薬師の縁日へ出たのであった。 それでは私も通の方を、いずれ
後刻、とこれを機に。出しなにまた念のために、その後、坂田と云うのは来ませんか、と....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
目十六番地に所在致しまする油倉庫にござりまする。原因万端取調べ中でござりまするが
後刻申し奉ります。へえ、お静かに、お静かに……」 「ご苦労、――」 「お言葉、ま....
「蠅男」より 著者:海野十三
、泥濘が真青になったと出ています。何もしらないで、現場へ飛びだした弥次馬たちが、
後刻自宅へ引取ってみると、誰の身体も下半分が真青に染っていて、洗っても洗っても取....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
るうちに「薄暮時期」が「百五十機」と聞こえたとわかり、大笑いとなった。 しかし
後刻、萩原さん(隣家)のおじいさんが野菜をもってきてくれたとき「いま百五十機くる....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
答えた内容であって、その後執事の田郷真斎に残酷な生理拷問を課してまでも、なおかつ
後刻に至って彼の口から吐かしめんとした、あの大きな逆説の事であった。勿論その共変....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
信玄は黒糸縅しの鎧の上に緋の法衣をはおり、明珍信家の名作諏訪|法性の兜をかむり、
後刻の勝利を期待して味方の諸勢をはげましていた。時に年四十一歳。 この日、越の....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ざいますぞ」 「今夜?」とさすがに弓之進も胆を冷やさざるを得なかった。 「いずれ
後刻、再度来診」 こう云って北山の帰った後は火の消えたように寂しくなった。 ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
山は、白く清く映ったのである。 毛筋ほどの雲も見えぬ。 雨乞の雨は、いずれも
後刻の事にして、そのまま壇を降ったらば無事だったろう。ところが、遠雷の音でも聞か....
「古狢」より 著者:泉鏡花
と斜に向って、お町にいった。 「まあ。」 時めく婿は、帽子を手にして、 「
後刻、お伺いする処でした。」 驚破す、再び、うぐい亭の当夜の嫖客は――渠であっ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
たは、無念残念返り討ちだと、一刹那覚悟して仆れていた主水で、 「秋山先生、お礼は
後刻! ……汝、待て――ッ、水品陣十郎! ……遁してなろうか、父の敵!」と、身体....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
十太夫はその金包みを彼女の膝の前に突き付けた。 「よいか。お菊もよく見て置いて、
後刻、殿様にお礼をいえ」 「ありがとうござります」 母と娘とは同時に礼をいった....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
が破壊されたりなど、つまり殺人事件の際争いでもあったと思わせるようなことが起る。
後刻、今度は本当に密室となった部屋の中で、その部屋の中の人が偶々過って死んだとす....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
って刑事は立ち上った。 「どうぞ、よろしく願います。これから私は食事をすまして、
後刻警察署へ出頭致します」 それから二時間の後、戸針康雄は、××署の一室で、彼....
「活人形」より 著者:泉鏡花
引き上げて、手燭を翳して打見|遣り、「むむ可々。と独言。旧のごとく被を下して、「
後刻に高田が来る筈だから、この方はあれにくれてやって、金にするとしてまず可しと。....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
すと、早速実家へ電話を掛けてみたが、兄はまだ起きていなかった。急用が出来たから、
後刻行く、と云い残して、電話室を出ようとしたら、扉の前に女中が待っていて、 「奥....