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後夜
「後夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
る。仮面のように無表情である。無表情の声の冷酷さ! しかし多くは説明しまい。 「
後夜の鐘の鳴る頃だな。幸福な人達の熟睡時だ。……お前どうだな、睡くはないかな!」....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
」の一節に、 「鐘にうらみが数々ござる。初夜の鐘をつく時は、諸行無常と響くなり。
後夜の鐘をつく時は、是生滅法と響くなり。晨朝は生滅滅已、入相は寂滅為楽と響くなり....
「源氏物語」より 著者:紫式部
涼しい秋風が吹いていて、虫の声もする時、明石の君は海のほうをながめていた。入道は
後夜《ごや》に起きたままでいて、鼻をすすりながら仏前の勤めをしていた。門出の日は....
「源氏物語」より 著者:紫式部
してすべてのことに善処いたしましょう」 院は実際悲しみに堪えぬ御様子であった。
後夜の加持の時に物怪が人に憑って来て、 「どう、こんなことになってしまったではな....
「源氏物語」より 著者:紫式部
つま戸より清き男の出づるころ
後夜の 律師のまう上るころ (晶子) 一人の夫人の忠実な良人という評判が....
「源氏物語」より 著者:紫式部
」(春ならぬわが身一つはもとの身にして)と忍ばれることがあるからであろう。御仏に
後夜の勤行の閼伽の花を供える時、下級の尼の年若なのを呼んで、この紅梅の枝を折らせ....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
ち四人が五反麻を立って、犬神の屋敷へ向かったのは、それから間もなくのことであり、
後夜をすこしく過ごした頃には、屋敷の前に立っていました。 「まず拙者が」と云いな....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
て。どうぞあなた様のご運命を」 こういう女の声のしたのは享保十五年六月中旬の、
後夜を過ごした頃であった。月が中空に輝いていたので、傍らに立っている旗本屋敷の、....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
内は静かである。 「うん」と忠蔵は頷いたが。 「姐御々々やっつけやしょう!」 「
後夜の鐘の鳴る頃に……」 丸窓の奥からお菊が云った。 「
後夜の鐘の鳴る頃に……....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
家の騒ぎもしずまった。笑い声もきこえない。 ボーンと鐘が鳴り出した。諸行無常の
後夜の鐘だ。 「酒はないか?」と浪人はいった。 「なんの酒などございましょう」 ....
「法然行伝」より 著者:中里介山
あったが、九月一日空に音楽を聞いて後更に苦痛が無くなって身心安楽であった。四日の
後夜に沐浴して漸くまたまた臨終の用意をする。遠近の人集まること、また集まること、....