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後架
「後架〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後架の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
行った。
自分は夜も仕事をつづけ、一時ごろやっと床《とこ》へはいった。その前に
後架《こうか》から出て来ると、誰かまっ暗な台所に、こつこつ音をさせているものがあ....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
の裾《すそ》の障子には竹の影もちらちら映っていた。僕は思い切って起き上り、一まず
後架《こうか》へ小便をしに行った。近頃この位小便から水蒸気の盛んに立ったことはな....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
を蝦蟇口《がまぐち》へ入れて、懐《ふところ》へ入れたなり便所へ行ったら、すぽりと
後架《こうか》の中へ落《おと》してしまった。仕方がないから、のそのそ出てきて実は....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
な事には、どれもこれも物になっておらん。その癖やり出すと胃弱の癖にいやに熱心だ。
後架《こうか》の中で謡をうたって、近所で
後架先生《こうかせんせい》と渾名《あだな....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
ポンが忽ち聴耳《ききみみ》を立てて、え?え?え? と首を伸した。すると法螺忠は、
後架《こうか》へでも走るらしく、やおら立上ると、 「あいつは一体生意気だよ。碌々....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
も、縁を覗いて、ともに燈を待ちもした。 この縁の突当りに、上敷を板に敷込んだ、
後架があって、機械口の水も爽だったのに、その暗紛れに、教授が入った時は一滴の手水....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
で、逃げだした道筋には味噌汁がこぼれていた。老人《としより》の泥棒はまごついて外
後架《そとごうか》へ逃込んで、中から戸を押《おさ》えていた。先生は持っている鞭《....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
テンコツさんの住居は、中島座の通りで、露路にはいった突当りだった。露路口に総
後架《そうこうか》の扉《と》のような粗末な木戸があった。入口に三間|間口《まぐち....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
って出た歌だけを読まれても好し、忙しい諸氏は労働のあいま田畔汽車中電車中食後散策
後架上就眠前等々に於て、一、二首或は二、三首乃至十首ぐらいずつ読まれることもまた....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
参考書を調べ、それらの中にも見つからずうとうとと眠り、さて目ざめてから用を達しに
後架へ行って手水鉢の水を一すくいし、それを庭のたたきへ何気なくぱっと撒いた瞬間、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
き縁がわから雪の中へ転げた、りん弥という子だな」
「え、そうです。お客さまは、お
後架へ行こうと思って迷子になったんでしょう。わたしが連れて行ってあげましょう」
....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
いのはぜひもない。髯も漆黒な若さをほこり、お唇は紅を塗ったようである。 粗末な
後架を出て、濡れ縁の端の掛樋へ寄って行かれると十四、五歳の童僕が、下にいて、 「....