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後歯
「後歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蒲団」より 著者:田山花袋
度こそは! 今度こそは! と待渡ったが、十一時が打って間もなく、小きざみな、軽い
後歯の音が静かな夜を遠く響いて来た。 「今度のこそ、芳子さんですよ」 と姉は言....
「縮図」より 著者:徳田秋声
行った。彼岸桜がようやく咲きかけた時分で、陽気はまだ寒く、前の狭い通りの石畳に、
後歯の軋む音がして、もうお座敷へ出て行く芸者もあった。 菓子を撮んでお茶を呑み....
「足迹」より 著者:徳田秋声
ていた。 しばらくたつと、お庄は顔や髪などを直して、出直して来た。大きい素足に
後歯の下駄をはいて、意気がったような長い縞の前垂を蹴るようにして蓮葉に歩き出すと....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
歩くことが激しいから、下駄は後の方が直ぐ減ってしまうので、師匠は工夫をして下駄の
後歯へ引き窓の戸の鉄車を仕掛けて、それを穿いて歩かれたものです。知人の処になど行....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
悪かったものと見え、 「作平さん、かね。」と低声で口の裡。 折から、からからと
後歯の跫音、裏口ではたと留んで、 「おや、また寝そべってるよ、図々しい、」 叱....