後添い[語句情報] » 後添い

「後添い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

後添いの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
わが町」より 著者:織田作之助
だとわかると、ぽうっと、赧くなって、わてもひとり身や。そして言うのには、あの人に後添いを貰う気持があるか訊いてくれ、わてにはすこしだが、貯えもある、もと通り小屋....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろだった。 「おゝ、吉左衛門さんか。これはおめずらしい。」 と言って、金兵衛は後添いのお玉と共によろこび迎えた。 金兵衛も吉左衛門と同じように、もはや退役の....
」より 著者:徳田秋声
利かしているというそこの年老った主、東京に芸者をしていたことがあるとか言ったその後添いの婆さん、仲人の口に欺されて行ったお銀が、そこにいた四ヵ月のあいだのいろい....
」より 著者:徳田秋声
る、尖がった新造の声かと思って、目がさめると、それが隣りの婆さんであった。そこへ後添いに来たとか聞いている婆さんは、例の禿頭の爺さんを口汚くやり込めているのであ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
まい、その娘、つまりお美夜ちゃんの母なる人は、腰元からなおって、今はさる御大家の後添いにおさまり、お美夜ちゃんなど見向きもしないということです。 話かわって…....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
兄の風守は母なき子であるし、光子と弟の文彦は母ある子であった。風守の母が死んで、後添いにできたのが光子と文彦だ。異母弟の文彦を後嗣にするため、風守をキチガイ扱い....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ことも忘れていたが、おもんの言葉で味な気になり、とうとう瓢箪から駒が出ておもんを後添いにしてしまった。 この経緯《いきさつ》がパッと町内にひろがったので吉兵衛....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
ってカテリーナ・リヴォーヴナを迎えた次第だったが、やっぱり子供がなかった。せめて後添いからでも、屋号と資本の跡をとる子を授かれることだろうと、彼は考えもし期待も....
扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
ど、随分疑ってもよい、良人の仕打ちでないことはありませんのです。私がずっと年下の後添いの妻であるだけに、それが一層あってよい筈でした。 ここでちょっと、私と只....
かもめ」より 著者:神西清
文のこらず、すっかりご主人の名義に書きかえたんですって。それを今度はあの父親が、後添いの名義にしてしまったもので、今じゃあの子、はだか同然の身の上なのよ。ひどい....
無月物語」より 著者:久生十蘭
との高い、公子のような悧口な女が、どういうつもりで泰文のような下劣な男のところへ後添いに来る気になったのかと、いろいろに取沙汰されたものだが、国吉や泰博のはかな....