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後生大事
「後生大事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後生大事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、大津屋の亭主は丸多をだまして、偽物を押し付けたに相違ねえ。それを知らずに偽物を
後生大事にかかえて、丸多の亭主は何処をうろ付いているのだろう。考えてみると可哀そ....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
つの組合さえ持たなかったのである。愚かな彼らは「芸術家」という一枚の不渡手形を、
後生大事とおしいただいて、三十何時間労働というような、他に例のない肉体酷使をあえ....
「地中魔」より 著者:海野十三
辻又右衛門と一緒に、この事件の探偵にあたっている。 大辻の方は、「岩」の足型を
後生大事に抱えているのに対して、わが三吉は理科大学の造築場へ、月島から搬んできた....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
も贋物も、ふたつともオクタンの手に入ったのじゃ。貴様が手に入れて、虎の子のように
後生大事にしていたのは、即ち、その昔ツクーワのつくった贋物で、しかも、ツクーワと....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
来た帆村の第六感であった。 それから第三に、お化け鞄と、赤見沢博士が電車の中で
後生大事に抱えていた鞄――その中には杉の角材四本などが入っていた方の鞄――この両....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
料を箱の中に入れかえた。そして雷洋丸の爆沈事件のときも、彼は命にかえて、この箱を
後生大事に守って、ここまで無事に持ってきたのである。 このように貴重な、そして....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
た奴があるぜ。串戯じゃあない、気味が悪いや、そういってお前放さしてくんな。おう、
後生大事と握ってやがらあ。」 先刻荒物屋の納戸で、媼と蚊の声の中に言を交えた客....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て来てからも至って大平無事、丁度現世でまめまめしく主人に仕えたように、こちらでは
後生大事に神様に仕え、そして偶には神様に連れられて、現世で縁故の深かった人達の許....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
、一月五銭足らずでした。古参の丁稚でもそれと大差がないらしく、朋輩はその小遣いを
後生大事に握って、一六の夜ごとに出る平野町の夜店で、一串二厘のドテ焼という豚のア....
「蛍」より 著者:織田作之助
は先祖からうけついだ船宿をしみ一つつけずにいつまでも綺麗に守って行きたいという、
後生大事の小心から知らず知らず来た業かもしれないと思えば、ひとしお哀れさが増した....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
繃帯をしていました、綿銘仙の垢じみた袷に、緋勝な唐縮緬と黒の打合せの帯、こいつを
後生大事に〆めて、」 「大分|悉しいじゃないか。」 「私だって先生、唐縮緬と繻子....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
右のね、何ですっさ。にごり屋の軒下へ車を預けて、苜蓿のしとったような破毛布を、
後生大事に抱えながらのそのそと入り込んで、鬼門から顔を出して、若親方、ちとお手伝....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、人の顔色を見て空世辞追従笑いをする人ではなかった。 淡島家の養子となっても、
後生大事に家付き娘の女房の御機嫌ばかり取る入聟形気は微塵もなかった。随分|内を外....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
したることでも無いらしい。彼は疼痛を忍んで直に起き上った。其片手には消えた蝋燭を
後生大事に握っていた。 斯くして彼は父の死骸から遠ざかって了ったのである。引返....
「女強盗」より 著者:菊池寛
に装束して、その馬に乗り、下人を連れて外出した。その馬もいい馬だったが、下人達も
後生大事と仕えてくれるのであった。帰ってくると、馬も下人も女主人に何ともいわれな....