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後金
「後金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後金の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろ暗い廉《かど》があるからであろうと想像された。 「それからどうしたね。その男は
後金《あとがね》を持って来たらしいかえ」と、半七はまた訊いた。 「その晩は無事に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。これだけ持って、おまえは一と足さきへ行ってくれないか。わたしは一旦家へ帰って、
後金を都合してから追っ掛けて行く。なに、嘘じゃあない、きっと行く」 「いけない、....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
な姿で度々宅へ来られては奉公人の手前もあるじゃねえか」 又「さア当金百円貸して、
後金千円位の資本を借りてもよかろう」 丈「それじゃア貸しても遣ろうが、何時迄もぐ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
彫刻した遊印である。 質流になった時、この仏像を池田瑞長が買った。然るに東堂は
後金が出来たので、瑞長に交渉して、価を倍して購い戻そうとした。瑞長は応ぜなかった....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と、その焼跡を鉄の棒でほじくって、そこで金目になりそうなものは、雪駄《せった》の
後金《あとがね》であろうとも、鎌の前金であろうとも、拾い集めて銭にかえようとする....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ゃな、ここに持合わせの銭が五十銭ほか無い。すなわちこの五十銭を置いて行く。直ぐに
後金の二円を持って来るから受取っておいてくれい。熊手は預けて行くぞ、誰も他のもの....
「山の湯雑記」より 著者:折口信夫
も後半月、汽車の通過するようになる時までだろうと思うと、おかしくなって来た。 越
後金丸・越後片貝など言う新駅も、出来たばかりで、まだ人影もなく、深い山の中に真白....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
二人への金だ)
庄吉の蹤《つ》けて行く人は、町家の旦那らしく、結城紬に、雪駄の
後金を鳴らして、急いでいた。往来の人々は、誰も彼も不安そうに、急ぎ、口早に話し合....
「裸体談義」より 著者:永井荷風
めていたのであるが、一変して今見るような西洋風のダンスになったのである。(震災前
後金龍館で興行していたオペラがあったがその一座はレヴューの流行する前に解散された....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
考えておりますから、ご心配には及びません。……ですが旦那、首尾よく仕遂げた後で、
後金はやれねえなんて苦情は出やしますまいね」 「ふ、ふ。……又さん、口幅ったいよ....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
十五条などの遺文の採録と註解から出たものはない。あとは彼の余技に関するもの――肥
後金工録に名があるくらいな点か、また、画乗要略その他に、彼の画系がぼつぼつ載って....
「雨」より 著者:織田作之助
妹の巣がいくつもかかったまゝ、押入には汚れ物が一杯押しこまれていた。お君が嫁いだ
後金助は手伝い婆さんを雇って家の中を任していたのだが、選りによって婆さんはもう腰....