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後頭部
「後頭部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
後頭部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
老人の頸《うなじ》のあたりをじっと見た。わずかに残った胡麻塩《ごましお》の毛が、
後頭部を半ばおおった下に、二筋の腱《けん》が、赤い鳥肌《とりはだ》の皮膚のしわを....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
美しいとでも形容したい、光《ひかり》滑々《かつかつ》たる先生の禿げ頭で、これまた
後頭部のあたりに、種々《しょうしょう》たる胡麻塩《ごましお》の髪の毛が、わずかに....
「路上」より 著者:芥川竜之介
チャイコウスキイの神秘な世界に安住出来るのを喜んだ。が、大井はやはり退屈らしく、
後頭部を椅子の背に凭《もた》せて、時々無遠慮に鼻を鳴らしていたが、やがて急に思い....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
て見ろ。
蝶 ふん、ちっとは羽根でも飛んで見ろ。
又
気韻は作家の
後頭部である。作家自身には見えるものではない。若《も》し又無理に見ようとすれば、....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
口の中で誦えた程だ。 「死んでいる。……とうとう殺られたのだ。」 「全くひどい。
後頭部から背中にかけて、弾丸を撃ちこんだナ」 「銃声は聞えなかったが……」 「ど....
「蠅男」より 著者:海野十三
と村松検事は屍体を見上げた。そのとき彼は愕きの声をあげた。 「うむ、頭だ頭だ。
後頭部に穴が明いていて、そこから出血しているようだ」 「なんですって」 人々は....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
陀児)邸二度目の訪問。今度は氏に会えた。焼跡に立ち、町会の人と立話をしている氏の
後頭部一面が真っ白であるのを発見して、涙を催した。 ◯しかし、大下五丁目町会長の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
呪文を浴せかけたけれど、どうにも風向きはよい方に転じなかった。古花甚平はとうとう
後頭部をしたたか壁にぶっつけた途端に、悪夢から覚めたかのように、パッチリ眼を明い....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
だした。 「ちょっと古堀さん」 と検事はあわてて裁判医を呼び停めた。 「死因は
後頭部に於ける銃創じゃないんですか」 誰も皆、検事と同じ質問を浴びせかけたいと....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
久しく陽に当らなかったせいか、妙に蒼ぶくれているのが気になった。それにひきかえ、
後頭部の手術の痕は、ほとんど見えない。これは手術に電気メスを使うようになって、厚....
「火星兵団」より 著者:海野十三
。ボロンの壜があったぞ」
と、丸木は、その場におどりだした。
その時、丸木の
後頭部めがけて、野球のバットが飛んで来て、ぐわんと大きな音をたてた。店員の一人が....
「怪塔王」より 著者:海野十三
たのである。帆村の目にうつったのは、赭茶けた毛と白髪とが交っている、中老人らしい
後頭部を見ただけでありました。 叩きおこして、顔を見てやろうか。 そうおもっ....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
しているのは、酔も何も醒めはてた権四郎の同輩たちだった。前額から切りつけられて、
後頭部まで真直な太刀痕が通っているという物凄い切られ様をした権四郎の死骸の上に、....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
んともいえない臭気がプーンと漂ってきた。 医師は、背中を一応しらべた。それから
後頭部にある打撲傷のような血の滲みが見えるところに眼を近づけた。 それから屍体....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
にはいないらしい。僕は比留間先生に張り倒されたことを覚えている。それから宗先生に
後頭部を突かれたことを覚えている。それから葉若先生に、――けれども僕の覚えている....