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「徐徐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

徐徐の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
日を愛しむ」より 著者:外村繁
。そんな静けさの中を、極めて緩い速度で時が経って行くのは、障子に映っている枝影が徐徐にところを移すので判る。しかし私自身も静けさの中に摂取されたようで、私の心も....
澪標」より 著者:外村繁
なり広い。義弟は黙黙と馬を引いて行く。単調な車輪の音が私の耳に響き続ける。しかし徐徐に、小学校の屋根の見える風景はその距離を縮めて行く。また牡丹雪が降って来る。....
夢幻泡影」より 著者:外村繁
冬木の枝が濃い形を映している。少しの風もないのか枝影はくっきりと染みついたまま、徐徐に東に移って行く。静かだった。その中に、今日も時計は鳴っていた。 「ただいま....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
少クシテ好カラザル也、一種打栗ト云フ者アリ、好搗栗ヲ用テ蒸熟シ布ニ裹ミ鉄杵ヲ以テ徐徐ニ之レヲ打テ平団ナラシメ、而シテ青栢葉ニ盛テ以テ珍ト為ス、此レ本朝式ニ所謂平....
夜の靴」より 著者:横光利一
の蓑からたれた雨の雫。縄なう機械の踏み動く音、庭石の苔の間を流れる雨の細流。空が徐徐に霽れるに随い、竹林の雫の中から蝉の声が聞えて来る。群り飛びまう蝿の渦巻――....
旅愁」より 著者:横光利一
方形のマルセーユの内港が、波も静かに明るい日光の中に見えて来た。船は速力をゆるめ徐徐に鴎の群れている港の中に這入っていった。鍵形に曲った突堤と埠頭の両側から、吊....