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「徒歩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

徒歩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ギッシリ填って、押しあい、へしあい、洪水の如く、流れ出てゆくのだった。すべては、徒歩の人間ばかりだった。円タクやトラックの暴力をもってしても、この真黒な人間の流....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
重力が、地球の場合の六分の一なのだ。物の重さが六分の一に減ったように感じるのだ。徒歩の一行は十名ぐらいだった。 そのあとへ六台の装甲車がついてくる。あと三台は....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
、なんだか生命の危険さえ感じられたので、彼は重大決意のもとに、横浜から東京までを徒歩で帰る方針をたてた。もしうまくゆけば、途中でトラックかなんかに乗せて貰えるか....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
日病院へ通うのに、この院線を使って、お茶の水で下車して、あれから大学の所在地まで徒歩するのが習であったが、五日も七日もこう降り続くと、どこの道もまるで泥海のよう....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
の使に、芝の巴町附近|辺まで遣られましてね。出来ッこはありません。勿論、往復とも徒歩なんですから、帰途によろよろ目が眩んで、ちょうど、一つ橋を出ようとした時でし....
古狢」より 著者:泉鏡花
塩焼は、まったく美味である。そこで、讃歎すると、上流、五里七里の山奥から活のまま徒歩で運んで来る、山爺の一人なぞは、七十を越した、もう五十年余りの馴染だ、と女中....
星女郎」より 著者:泉鏡花
らなかった。――ところで、今度境三造の過ったのは、新道……天田越と言う。絶頂だけ徒歩すれば、俥で越された、それも一昔。汽車が通じてからざっと十年になるから、この....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
赤く腫れ上っていた。 「これ、誰そ、早う来てたもれ。虫に手を」 乗物の両脇には徒歩女中が三人ずつ立って、警護しているのに、怪しき若衆を度々見る事も、今こうして....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
の一行十五人は、入折戸を未明に出立して、路なき処を滅茶滅茶に進んで行った。谷川を徒歩わたりし、岩山をよじ登り、絶壁を命綱に縋って下り、行手の草木を伐開きなどして....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
又川崎の渡し場まで入らッしゃるのなら、お待ち申しておりますよ。八町畷を砂ッ塵でお徒歩になりますより、矢張船を待たして置いてお乗りになれば、この風ですから、帆も利....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
ところまでしかゆきませんから、道をおっくうに思う人には少々難儀ですけれども、もし徒歩を厭わぬ人なら、却って楽しみです。 赤土の、すがすがしい、春の光線の透いて....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
て、宗匠ちょっと得意ですよ。――道中がちと前後しました。――可心法師は、それから徒歩で、二本松で雨に悩み、途に迷い、情あるお婆さんに導かれて後、とぼとぼと高畑ま....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
しい岩がむき出しに立つ峰々が連なり、七月であるのになお残雪にとじこめられている。徒歩で谷のあたりに至れば草にいろどられ、春のごとき風の吹く路上は冬の三カ月にあた....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
なっちゃ仕方がない、どんなに夜が更けようと、ずぶ濡れになろうと、いよいよ小山まで徒歩いて帰らなくてはならない、と思っている処へ、有難い事に、一台の空車が通りかか....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
んが、いつもやさしい言葉をかけてくれたが、もうそこしか頼るところはない。こんどは徒歩である。へとへとになって横浜の銭湯についたのは、夜の十時をとっくにすぎていた....