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「従兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

従兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
きょうは幸い埃風《ほこりかぜ》も吹かない。僕等はこれから監獄《かんごく》の前へ、従兄妹同志《いとこどうし》結婚した不倫《ふりん》の男女の曝《さら》しものを見物に....
文放古」より 著者:芥川竜之介
にはまあ低能児だわね。 「そう云う点のわかっているのは文雄《ふみお》ってあたしの従兄《いとこ》なのよ。これは永井荷風《ながいかふう》だの谷崎潤一郎《たにざきじゅ....
」より 著者:芥川竜之介
僕は重い外套《がいとう》にアストラカンの帽をかぶり、市《いち》ヶ|谷《や》の刑務所へ歩いて行った。僕の従兄《いとこ》は四五日前にそこの刑務所にはいっていた。僕は従兄を慰める親戚総代に....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
われに縁のある事なのでございます。 その頃、若殿様は大そう笙を御好みで、遠縁の従兄《いとこ》に御当りなさる中御門《なかみかど》の少納言《しょうなごん》に、御弟....
婦系図」より 著者:泉鏡花
なければどうかしているんです。もっともその惚方――愛――はですな、兄妹のようか、従兄妹のようか、それとも師弟のようか、主従のようか、小説のようか、伝奇のようか、....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
し、兄弟はなし、伯父叔母というものもなし、俺ばっかりをたよりにしたのに、せめて、従兄妹が一人ありゃ、俺は、こんな思いはしやしない!……よう、お蔦、そしてお前は当....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
留まる胆玉のないものは、いっその思い、真逆に飛込みます。破れかぶれよ、按摩さん、従兄弟再従兄弟か、伯父甥か、親類なら、さあ、敵を取れ。私はね、……お仲間の按摩を....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
とうとしていた。 「呼んだぐらいで驚いてくれちゃ困る。よ、糸|的、いい名だなあ、従兄弟に聞えて、親身のようだ。そのつもりで聞いてくれよ。ああ私は実は酔わん、酔え....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
は愁然として、思わず涙を催しぬ。 琵琶は年久しく清川の家に養われつ。お通と渠が従兄なる謙三郎との間に処して、巧みにその情交を暖めたりき。他なし、お通がこの家の....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
大病でね、内の病院に入っていたんです。東京で私が姉妹のようにした、さるお嬢さんの従兄子でね、あの美術、何、彫刻師なの。国々を修行に歩行いている内、養老の滝を見た....
黒百合」より 著者:泉鏡花
かに辺幅を修せずといって、いやしくも警部長の令息で、知事の君の縁者、勇美子には再従兄に当る、紳士島野氏の道伴で、護謨靴と歩を揃えながら、何たる事! 藁草履の擦切....
星女郎」より 著者:泉鏡花
が、例に因って、 (来たよ。) と呻吟く。 (……でしょうね、) と親類内の従兄とかで、これも関係のあった、――少年の名をお綾が云うと…… (ああ、青い幽霊....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ち寄った。 「S君、俺は婚約したぞ、男爵閣下の令妹とよ。」 Sはその時、自分の従兄にあたる農会長が、男爵を連れて小川先生を訪問すると聞いてびっくりしてしまい、....
活人形」より 著者:泉鏡花
いえるが、家事万端の後見せり。 叔母には下枝、藤とて美しき二人の娘あり。我とは従兄妹同士にていずれも年紀は我より少し。多くの腰元に斉眉かれて、荒き風にも当らぬ....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ちと泳ぎに行った帰りに、『あの樋を渡れるかい』とけしかけられて渡った。一緒にいた従兄の井口知一君が最初に渡ったものだから、私も負けん気になって渡り、ご愛敬にも途....