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「従卒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

従卒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
自叙伝」より 著者:大杉栄
。 八軒町に岡田という少佐がいた。父が前に副官をしていた連隊長だ。そこの馬丁か従卒かが門前を掃除していると、学校の子供が一人通りかかって、それがフラフラ右左に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
をひそめて窺うと、一人の軍装をした男が磐石の上に坐って、そのそばには相貌|獰悪の従卒が数人控えている。なにか言っているらしいが、遠いのでよく聴き取れない。 や....
」より 著者:黒島伝治
持っていた。彼の喋ることは、窓硝子が振える位いよく通った。 彼は、もと大隊長の従卒をしていたことがあった。そこで、将校が食う飯と、兵卒のそれとが、人間の種類が....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ステーラの一片を頬ばり「むむ、少し……甲板に出ておると……腹が減るには驚く。――従卒、菓子を持って来い」 「君も随分食うね」と赤きシャツを着たる一少尉は微笑みつ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
のうちに一人の女が舟に乗って来ました。女は絶世の美人で、黄いろい衣を着て、四人の従卒に舟を漕がせていましたが、その卒はみな青い服を着て、朱い髪を散らして、豕のよ....
空襲警報」より 著者:海野十三
の、お迎えにまいりました」 非常呼集 「おお、沼田の声だ」 国彦中尉は、従卒の声を玄関に聞いて、座からとびあがった。 「中尉どのは、御在宅でありますか」....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
字架ありて建てるを見たり。 お通は見る眼も浅ましきに、良人は予め用意やしけむ、従卒に持って来させし、床几をそこに押並べて、あえてお通を抑留して、見る目を避くる....
鹿狩り」より 著者:国木田独歩
る、進軍だ進軍だ』とわめいて真っ先に飛び出した。僕もすぐその後に続いた。あだかも従卒のように。 爪先あがりの小径を斜めに、山の尾を横ぎって登ると、登りつめたと....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
《ろうばい》した。彼らは自分の良心を安心させる必要を感じて、料理人も人夫も兵士も従卒も同じ袋に投げ入れたパスカルを、弁解しようとつとめた。パスカルがもし近代の高....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
物席のメーンテーブルにドッカと腰かけ、ビールをのみ、美女をにらんでいた。 私は従卒を三人つれていた。二人は志願兵であるが、一人は委託された教育補充兵で、ある人....
接吻」より 著者:神西清
の足りなそうな顔をして、部屋の隅から隅へ長いこと行ったり来たりしていたが、やがて従卒を呼んで、ビールを買いに外へ出した。メルズリャコーフは横になると、枕もとに蝋....
決闘」より 著者:神西清
ープにする肉や胡瓜や玉葱やをこしらえながら、調理台の周りを駈け廻わって、手伝いの従卒を凄い剣幕で睨みつけたり、手あたり次第ナイフやスプーンを振り上げたりしている....
世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
と抑えた怒とを以て、書きものに従事している。夕食にはいつも外へ出るのだが、今日は従卒に内へ持って来させた。食事の時は、赤|葡萄酒を大ぶ飲んで、しまいにコニャック....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
た。ヤアギチは遅れた弥撒に急いで出かけなければならないので、着替えの手伝いをする従卒にぶつぶつ小言を言っているのが隣室から聞こえた。彼は何か取りに、軽く拍車を鳴....
グーセフ」より 著者:神西清
。船はひどく揺れる。立つことも、茶を飲むことも、薬を服むことも出来ない。 「君は従卒だったのかね」と、パーヴェル・イヴァーヌィチがグーセフに訊く。 「そうでさ。....