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従弟
「従弟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
従弟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
《しわす》の町を或火葬場へ走って行った。薄汚い後の馬車に乗っているのは重吉や彼の
従弟《いとこ》だった。彼の
従弟の大学生は馬車の動揺を気にしながら、重吉と余り話も....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
近い感情を味わずにはいられませんでした。何でも三浦の話によると、これは彼の細君の
従弟《いとこ》だそうで、当時××紡績会社でも歳の割には重用されている、敏腕の社員....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
はおれも知っている。現に、兵庫屋の二階で八橋からひきあわされたこともある。八橋は
従弟《いとこ》だといったが、そうでないことは俺もちゃんと見ぬいていた。俺は近づき....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
思いさだめたのである。 十二 はずれの旦那という人は、おとよの母の
従弟であって薊という人だ。世話好きで話のうまいところから、よく人の仲裁などをやる....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
く、二十四日の晩に持上ってしまった。 その頃の三四郎の留守宅には、妻の比露子の
従弟に当る及川というM大学の学生が、月始めからやって来ていた。この男に関しては、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
束があるようにも思われるではないか。 不思議な顔 蒙陰の劉生がある時その
従弟の家に泊まった。いろいろの話の末に、この頃この家には一種の怪物があらわれる。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ほどありましたよ。ところが、今までめったに寄り付いたことのねえ奴らが、やれ姪だの
従弟だのと云って方々からあつまって来て、片っ端からみんな持って行ってしまいました....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
は、水呑み百姓で、一家内四人の暮らしさえも細ぼそであるところへ、この間から自分の
従弟の娘というのが転げ込んで来ているので、まったく困るとこぼし抜いていた。娘とい....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ゆけ』といったのです。そしてすしをもちこんだ当人の住所姓名をたずねると、トラ十の
従弟で、この先のこれこれの工場に働いている者ですといって、すらすらと答えたんです....
「東京要塞」より 著者:海野十三
こんでいるのとも知らず、正太と名乗るこの新入りの左官のことを、これは自分の女房の
従弟だ、どうか仲よくしてやってくれと、他の仲間に引合わした。 帆村探偵は、それ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、このごろ忙しさに、不沙汰はしているが、知己も知己、しかもその婚礼の席に列った、
従弟の細君にそっくりで。世馴れた人間だと、すぐに、「おお。」と声を掛けるほど、よ....
「海亀」より 著者:岡本綺堂
当に店を張っている。浜崎と僕の家とは親戚関係になっていて、浜崎の息子と僕たちとは
従弟同士になっているのだ。 浜崎のひとり息子の清というのは大阪の或る学校を卒業....
「唇草」より 著者:岡本かの子
いってるようである。 「私の憧れを癒やすほどのものは現実にはない」 これは私の
従弟の千代重が外遊するまで、始終口癖にいっていた言葉と同じである。ふとこの言葉を....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
「私、その事で先生にお縋りに上ったんですの」 「すると、あの青年は?」 「私の
従弟ですの」 「なるほど、あなたの旧姓と同じですね、秋田弘とか云いましたね」 「....
「素晴しい記念品」より 著者:大倉燁子
て、私は遂々たった一人ぼっちになってしまいました」 池谷進吾さんは私共の藩主の
従弟である。人の好い彼は皆に欺かされて、財産をすててしまい、私の知っていた頃には....