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得意顔
「得意顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
得意顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「千代女」より 著者:太宰治
という噂《うわさ》を、柏木の叔父さんが、まるで御自分が大金持にでもなったみたいに
得意顔で家へやって来られて、母に話して聞かせたので、母は、また興奮して、和子だっ....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
泊の弱味がある。怒る事が出来なかった。 「これは、マサ子のよ」 と七歳の長女は
得意顔で、 「お母さんと一緒に吉祥寺へ行って、買って来たのよ」 「それは、よかっ....
「乞食学生」より 著者:太宰治
本君は、私が佐伯をやり込めると、どういうわけか、実に嬉しい様子であった。いよいよ
得意顔して立ち上り、 「そうですとも。だだっ子と言われても仕様が無いですとも。僕....
「令嬢アユ」より 著者:太宰治
四五日して、たくさんの鮎を、買って帰京した。柳の葉くらいの鮎を二匹、釣り上げて
得意顔で宿に持って帰ったところ、宿の人たちに大いに笑われて、頗《すこぶ》るまごつ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
聞いたような音色が突如として群衆の中から揚がったかと見るまに、ここをせんどと
得意顔をうちふりながら、ひょこひょこと駆けだしてきたのは、だれでもない伝六でした....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
吐かしてめえりますから、どこかその辺の小陰にかくれて、あごでもなでていなせえよ」
得意顔に引っ返していった伝六を見送りながら、名人はそこの横路地の中に身を忍ばせて....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
れるように消えていったかと見えたが、ほどたたぬまに屋敷の中からおどり出てくると、
得意顔に伝えました。 「眼《がん》の字、眼の字。やっぱりね。おかしなことがあるん....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ろ」 「いや、おてがらはけっこうじゃが、まだ少々お早いようじゃ。待てッ、直九!」
得意顔に命じて敬四郎が手下の者たちに始末させようとしたのを、にこやかに微笑して制....
「作家の手帖」より 著者:太宰治
よかった。すっとからだが軽くなった思いであった。実に、せいせいした。家へ帰って、
得意顔でその事を家の者に知らせてやったら、家の者は私を、とんちんかんだと言った。....
「きりぎりす」より 著者:太宰治
も、その事ばかり考えて生きているのでは、ございません。三百円だけ残して、そうして
得意顔でお帰りになるあなたのお気持が、私には淋しくてなりません。私は、ちっともお....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
りても、その道を知らんから、娘の道心を縊殺《しめころ》そうとしていながら、しかも
得意顔《したりがお》でいるほどゆえ、固《もと》よりこれは妨《さまたげ》になるばか....
「酒ぎらい」より 著者:太宰治
合せ、大いに私は興奮した。私が中学校の三年のとき、或る悪質の教師が、生徒を罰して
得意顔の瞬間、私は、その教師に軽蔑をこめた大拍手を送った。たまったものでない。こ....
「炎天汗談」より 著者:太宰治
ん画が好きで、画家の友人もたくさんあって、その画家たちの作品を、片端からけなして
得意顔をしていた事もあったのですが、昨年の秋に、ひとりでこっそり画をかいてみて、....
「無趣味」より 著者:太宰治
、いい事ではないか。私は、衣食住に就いては、全く趣味が無い。大いに衣食住に凝って
得意顔の人は、私には、どうしてだか、ひどく滑稽に見えて仕様が無いのである。....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
夜ふろにはいって、相ぶろの人に『あしたフランスメイルで西豪州へゆきますのや』と、
得意顔でいうと相手は顔色を変えた。 『そりゃいかん! それはね英人にきびしく監視....