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徙
「徙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
徙の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「李陵」より 著者:中島敦
飢えを凌《しの》いだ話や、ついに北海《ほっかい》(バイカル湖)のほとり人なき所に
徙《うつ》されて牡羊《おひつじ》が乳を出さば帰るを許さんと言われた話は、持節《じ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
がこれを撃つことを禁ぜようとしたが、津軽家が聴ずに、とうとう上屋敷を隅田川の東に
徙されたのだと、巷説に言い伝えられている。津軽家の上屋敷が神田|小川町から本所に....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
美麗を誇る、故にスペインで不従順な馬を懲らすに荘厳なる頭飾と鈴を取り上げ他の馬に
徙《うつ》し付けると。支那で馬に因《ちな》んで驚駭《きょうがい》と書き『大毘盧遮....
「堺事件」より 著者:森鴎外
入って大阪に着いて、すぐに林が命令して、杉、生駒と両歩兵隊長とを長堀の土佐藩邸に
徙らせた。 十八日には、長尾太郎兵衛を以て、両歩兵隊長に勤事控を命じ、配下一同....
「連環記」より 著者:幸田露伴
を被り、且つ宦官雷允恭と交通したるを論ぜられ、崖州に遠謫せられ、数年にして道州に
徙され、致仕して光州に居りて卒した。つまり政敵にたたき落されて死地に置かれたので....
「細木香以」より 著者:森鴎外
として工事を急いだ。五年三月に部屋は出来て、壁の中塗だけ済んだ。母はこれに臥所を
徙して喜んだが、間もなく世を去った。今わたくしが書斎にしているのがこの部屋で、壁....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
えん》、功業より来たるものは盆※中《ぼんこうちゅう》の花の如く、便《たちま》ち遷
徙《せんし》廃興《はいこう》あり。若し権力をもって得たるものは、瓶鉢中《へいはつ....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
あてられた我が本来のクグツは、平安朝大江匡房の頃には、一定の居なく水草を逐うて移
徙し、男は狩猟を主として傍ら各種の遊芸に従事し、女は美粧して婬を鬻ぐを業としてい....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
しく住む人も
なかったのに、キムメリオイの闇から出て来て、
谷の奥深く、こっそり
徙って来た、大胆な種族が
あって、攀じ登られぬ、堅固な砦を築き上げ、
その界隈の....