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御上手
「御上手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御上手の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「行人」より 著者:夏目漱石
ことによったら西洋もそうかも知れないけれども――皆《みん》な上滑《うわすべ》りの
御上手ものだけが存在し得るように出来上がっているんだから仕方がない」
兄はこう....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
中君はわざと名古屋訛《なごやなまり》を真似《まね》て調戯《からか》っていた。女は
御上手だ事とか、
御上手やなとか、何とか云って賞《ほ》めていた。ところが前触《まえ....
「門」より 著者:夏目漱石
どうせ僕の御手際《おてぎわ》じゃ旨《うま》く行かない」 「なに兄さんだって、そう
御上手じゃなくってよ。それに兄さんはあなたよりよっぽど無精《ぶしょう》ね」 小....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
。「あらまあ、よく真面目であんな嘘が付けますねえ。あなたもよっぽど法螺《ほら》が
御上手でいらっしゃる事」と細君は非常に感心する。「僕より、あの女の方が上《う》わ....
「野分」より 著者:夏目漱石
いた方が楽で、今の方がよっぽど苦しいじゃありませんか。あなたはやっぱり教師の方が
御上手なんですよ。書く方は性《しょう》に合わないんですよ」 「よくそんな事がわか....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
んでした。熱心な国粋保存家と云う事でした。ゆったりした御大名のような方で、撃剣が
御上手でした。この時には色々と武士道の嗜みとも申すべき物が復興されまして、撃剣と....
「家」より 著者:島崎藤村
さんは曾根さんらしい細い字で書いて来たネ」と三吉が言て笑った。 「真実に皆さんは
御上手なんですねえ」とお雪も眺めた。 名倉の店に勤めている人で、お雪が義理ある....
「家」より 著者:島崎藤村
御覧、正太さんがああいう風に掛けて下すった」 「真実に、正太さんはこういうことが
御上手なんですねえ」 とお雪は額の前に立って、それから縁側のところへ出てみた。....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
出る日には、アトファンを、寝る前に飲んで、朝痛みの少いようにしておいて、あんよは
御上手程度に歩く。 しかし、こんな無茶をしていながら、痰《たん》が少くなり発熱....
「産屋物語」より 著者:与謝野晶子
の処ではまだ我国の女流作家の筆にそういう様子が見えません。男子を写すのは男の方が
御上手である事は申すまでもないので、女の書いた男は勿論巧く行きません。一葉さんの....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
、商法なすっても思うようには儲けもないが、段々開けて来まして、皆な殿様方も商法は
御上手におなり遊ばしました。出が良いから品と云い応対と云い蓮葉な処は少しもありま....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
あ、お固うございますこと。たまる一方で――」
「借金山となりにけりさ」
「まあ、
御上手な――」
「口先だけは――言訳に慣れているからの」
「ほほほ、これは、とて....
「それから」より 著者:夏目漱石
子の言葉が、あまり重い印象を先方に与えない様に、すぐ問題を易えた。 「じゃ英語は
御上手でしょう」 令嬢はいいえと云って、心持顔を赤くした。 食事が済んでから....