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御主
「御主〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御主の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の悪い笑《えみ》を洩らしますと、わざと柔《やさ》しい声を出して、「これは滅相な。
御主《おぬし》の父親《てておや》が気を失ったのは、この摩利信乃法師《まりしのほう....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ん》、リスポアの港、羅面琴《ラベイカ》の音《ね》、巴旦杏《はたんきょう》の味、「
御主《おんあるじ》、わがアニマ(霊魂)の鏡」の歌――そう云う思い出はいつのまにか....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
嫌味《いやみ》のありったけを並べて御出でなさる始末《しまつ》なんです。
「そりゃ
御主人が毒づかれるのは、蔭で聞いている私にも、好《い》い気のするもんじゃありませ....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
うものの執念《しゅうねん》の深いのには困ったものだ。」
「やっと命を助けて頂いた
御主人の大恩《だいおん》さえ忘れるとは怪《け》しからぬ奴等でございます。」
犬....
「白」より 著者:芥川竜之介
た。
「じゃもうおじさんは家《うち》へ帰ろう。」
「まあお待ちなさい。おじさんの
御主人はやかましいのですか?」
「
御主人? なぜまたそんなことを尋《たず》ねるの....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
俊寛様は驚いたように、わたしの顔を御覧になりました。が、もうわたしはその時には、
御主人の膝を抱《だ》いたまま、嬉し泣きに泣いていたのです。
「よく来たな。有王!....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
の話を経て、次第に今日の使徒行伝《しとぎょうでん》中の話となり、進んでは、ついに
御主《おんあるじ》耶蘇基督《エス・クリスト》が、ゴルゴダで十字架《くるす》を負っ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ぜ。何てったって、お前はどうせ無代価で頂くもんじゃねえか。」 「大きに、お世話、
御主人様から頂きます。」 「あれ、見や、島田を揺ってら。」 「ちょいと、番ごとい....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
川土手を送ってやろう。 ――旧藩の頃にな、あの組屋敷に、忠義がった侍が居てな、
御主人の難病は、巳巳巳巳、巳の年月の揃った若い女の生肝で治ると言って、――よくあ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が望みで、三浦三崎のさる酒問屋へ、奉公をしたでござります。 つい夏の取着きに、
御主人のいいつけで、清酒をの、お前様、沢山でもござりませぬ。三樽ばかり船に積んで....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
は。) と大な声。 (あっさりしたものでちょっと一口。そこで……) 実は……
御主人の按摩さんの、咽喉が一つ聞きたいのだ、と話した。 (咽喉?)……と其奴がね....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、辻町糸七作、『たそがれ』――お書きになったのは、これは、どちらの、あのこちらの
御主人。」 「飛んだ、とんだ、いいえ、飛んでもない。」 と何を狼狽えたか、女房....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
よ。」 義作が仔細を心得て、 「競争をしてるんでさ、評判なんで。おい、姉さん、
御主人様がこちらへお褥が据るから、あきらめねえ、仕方がねえやな。いえさ、気の毒だ....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
には、一人の女と、一|匹の牡猫と、一|羽の牝鶏とが住んでいるのでした。猫はこの女
御主人から、 「忰や。」 と、呼ばれ、大の御ひいき者でした。それは背中をぐいと高....
「活人形」より 著者:泉鏡花
を聞置かんと、手を叩きて亭主を呼べば、気軽そうな天保男、とつかわ前に出来りぬ。「
御主人外でも無いが、あの雪の下の赤城という家。と皆まで言わぬに早合点、「へい、な....