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御伽噺
「御伽噺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御伽噺の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
ういう昔の物語めいた、嘘《うそ》か真《まこと》か分らないことを聞かされたときは、
御伽噺《おとぎばなし》でも読んだ子供の時のような気がして、何となく古めかしい香《....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
。よくそう云ってくれました。わたしも悪魔ではありません。悪魔も同様な黒ん坊の王は
御伽噺にあるだけです。(王子に)そうじゃありませんか? 王子 そうです。(見物に....
「地球盗難」より 著者:海野十三
思った。 だがこの檻の中に飼われている生き物の凄く巨大なることよ。これはまるで
御伽噺に出てくる大人国の動物園に行ったような景色である。 さて次の檻には何物が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
窟だから、金の卵の噺《はなし》から書き始めようとしても、幾久しく聞き馴れた月並の
御伽噺《おとぎばなし》にありふれた事では面白からず、因って絶体絶命、金の卵の代り....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
ているのもあれば、絵具箱を出して絵を描いているのもあった。老人は襖に背をもたせて
御伽噺の本を眼鏡でたどっていた。私は裏庭を左にした壁のオルガンの前に腰かけて、指....
「高原」より 著者:寺田寅彦
ワンダーランドのアリスの冒険の一場面を想い出した。顕微鏡下の世界の驚異にはしかし
御伽噺作者などの思いも付かなかったものがあるらしい。 シモツケの繖形花も肉眼で....
「白血球」より 著者:豊島与志雄
けないかをはっきり云い現わせなくて、彼女は中途で言葉を切った。 「だって、西洋の
御伽噺にあるような、面白いお化なら出たって構わないわ。」 口を尖らし眼をくるり....
「雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
めした池沼のほとりの雰囲気はいつも自分の頭のどこかに幼い頃から巣くっている色々な
御伽噺中の妖精を思い出すようである。 大正池の畔に出て草臥れを休めていると池の....